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退職後の歩合給請求…法的に支払う義務はある?リフォーム営業マネージャーが知っておくべきこと

退職後の歩合給請求…法的に支払う義務はある?リフォーム営業マネージャーが知っておくべきこと

この記事では、リフォーム関連の営業マネージャーとして働くあなたが直面している、退職した社員からの歩合給請求に関する法的問題について、具体的なアドバイスを提供します。退職後の歩合給の支払義務、給与規定の解釈、そして今後の対応策について、専門家の視点からわかりやすく解説します。法的リスクを最小限に抑えつつ、円滑な解決を目指しましょう。

こんにちは。

長文ですが、どうかお知恵をお貸しください。

私はリフォーム関連の営業マネージャーとして働いています。

半年ほど前に退職した社員(以下、「社員H」という)の歩合給の支払義務に関して教えてください。

質問から先に申し上げますと、

7月末で急な即日退職(自己都合)した社員が、6月と7月に自分が契約した案件(いずれも9月以降の歩合対象)の歩合給を請求してきました。支払義務はありますでしょうか? ちなみに、当社はよく判例であるような完全歩合システムではありません。固定給がそれなりに(地域の相場で)あって、歩合はプラスαの「能率給」という位置づけです。

この話の争点は、判例によくある”支給日に在籍していたかいないか”でなく、売上発生時点(完工)すでに在籍していなかったという事です。

まず当社の給与規定です。

固定給として月210,000円+能率給(歩合給)となります。

能率給(歩合)→純売上額×20% ※純売上額とは社内用語で=(販売額ー商品工事原価ー販管費200,000円)です。

※給与規定には

「基本給及びその他手当」は毎月末日締め⇒翌月20日払い

『歩合給』は当月工事完了及び入金完了をもって能率給発生とみなし、毎月末日締め⇒翌月20日払いとする。

と記しています。

社員Hは7月末時点で退職したにも関わらず、自分が放棄した8月工事(9月入金⇒10月歩合支給)・9月工事(10月入金⇒11月歩合支給)分の歩合給を請求してきています。金額にして約13万円です。

金額が小額ですので、引き受ける弁護士はいないでしょうが、正直なところ面倒くさいです。

問題点を時系列でお話します。

2011年2月 H社員 入社

同年2月〜4月 契約0件

同年5月 初契約(1件)

同年6月 2契約

同年7月 1契約 計4契約

同年7月末日 体調不良を理由に欠勤しました。その後連絡付かず。

翌日8月1日 朝一番に「プライベートがごちゃごちゃしてて精神的に参っているので退職します」と私の携帯電話にメール。

電話をかけたが電源が切られていて繋がらない。自宅に訪問たが居留守(玄関前で本人の声が聞こえた)

メールで「このままでは退社手続きもしていないし、ちゃんと話がしたい」と伝えました。

しばらく連絡がなく、2〜3日後に連絡がきて会う事になり、喫茶店で話しました。

H社員:「フルコミッションでやりたい。歩合が少ない。(実際は、地元の業界では高待遇な方です)」

私:「労働基準等の観点から、フルコミは法的に認められない。FCで販売委託会社になるしかない」

H社員:「是非やりたいです。」という事になったわけです。

数日後、契約を交わすという事になったわけですが、当日その契約書を読み上げて調印をしかけた時、こんな堅苦しい契約書を書くとは思わなかったなどと幼稚な理由で待ったをかけられました。

結論は、契約書を作ってまでは出来ないとの事。

私もあっさりと「分かりました。お互い別の道で頑張りましょう」という事で終わりました。

彼が6月に成約した2契約(8月工事)と7月の1契約(9月工事)は結局別の担当者が引き継ぎ、全て処理しました。

10月上旬 普通郵便で1通の封書が会社のポストに。

差出人はH氏「請求書」と題した紙に「6月契約の○○邸と7月契約の○○邸の分の歩合給が未払いの為、早急に支払って下さい」という内容。誰が見ても自作の書面で、司法書士や弁護士などが作成したものではありません。

しかもこんな大事な書類を普通郵便で。

私は裏切られた気になり腹が立ちましたが、一旦冷静になり、H氏に電話をかけました・・・が出ません。

翌日、再度電話するも出ません。

(1週間ほど後)

10月8日 改めて朝・夕と2度電話するが出ない。

数分後 H氏「電話でなくメールでやりとりしたい。歩合の振込してくれ。」と一方的なメール。

私:「こちらは誠意を持って対応します。社労士や労基からも『まずはもう一度本人としっかり話して下さい』と言われている。ちゃんと話がしたい」とメールしました。

H氏:「話す事はない。給与規定も何回も説明受けている。こちらはもらう権利がある」とのこと。

私:「支払うべき賃金は全て支払済みです。まず話をしましょう。メールではこれ以上対応できない。H氏本人が打っているメールかも判断できない」と送りましたが「訴えます」とのこと。

本当に面倒くさい人です。

会社としても、私個人としても彼にはとても期待し、可愛がってきました。

色んな配慮もしてきたのですが、こんな形になってしまい残念です。

お金を払いたくないわけでなく、ココに書ききれない程やり方があまりにひどいです。

これまでのプロセスも含め、法的に支払い義務は生じるのでしょうか?教えてください。

1. 結論:法的義務の有無と対応策

まず結論から申し上げますと、H氏への歩合給の支払義務については、給与規定と実際の業務プロセス、そして退職の経緯を総合的に判断する必要があります。しかし、現時点での情報からは、必ずしも支払義務があるとは断言できません。

今回のケースでは、

  • 給与規定の解釈:「当月工事完了及び入金完了をもって能率給発生とみなし」という規定から、工事の完了と入金が歩合給の発生条件であることが読み取れます。H氏が退職後に工事が完了し、入金されたとしても、退職時にすでに在籍していないため、歩合給を請求する権利があるかどうかは、法的に争点となり得ます。
  • 退職の経緯:H氏の退職は、自己都合による即日退職であり、その後の連絡の取り方や請求方法にも問題があります。
  • 未払い賃金の範囲:H氏が請求している歩合給は、退職後に完了した工事に関するものであり、未払い賃金とは言えない可能性があります。

したがって、まずは以下の対応策を検討し、専門家への相談も視野に入れることが重要です。

2. 詳細解説:法的観点からの分析

2.1. 給与規定の正確な解釈

今回のケースで最も重要なのは、給与規定の正確な解釈です。特に、「当月工事完了及び入金完了をもって能率給発生とみなし」という部分が重要になります。

この規定からすると、歩合給の発生には、

  • 工事の完了
  • 入金

の2つの条件が揃う必要があります。しかし、この規定は、歩合給の支給対象となる期間を定めているだけで、退職後の歩合給の取り扱いについて明示しているわけではありません。

この点について、労働契約法などの法律では、退職後の賃金(歩合給を含む)の支払いについて、明確な規定はありません。そのため、給与規定の解釈や、過去の事例、裁判例などを参考に判断することになります。

2.2. 退職後の歩合給に関する判例

退職後の歩合給に関する判例は、ケースバイケースで判断が分かれる傾向があります。主な争点となるのは、

  • 歩合給の性質:歩合給が、労働の対価としての性格が強いのか、それとも業績に対するインセンティブとしての性格が強いのか。
  • 就業規則や給与規定の解釈:歩合給の支給条件や、退職後の取り扱いについて明確に規定されているか。
  • 労使間の合意:退職時に、歩合給の支払いについて何らかの合意があったか。

今回のケースでは、歩合給が固定給にプラスされる「能率給」という位置づけであり、労働の対価としての性格が強いと考えられます。しかし、給与規定に退職後の歩合給に関する明確な規定がないため、解釈が争点となる可能性があります。

2.3. 退職の経緯とH氏の行動

H氏の退職の経緯や、その後の行動も重要な判断材料となります。今回のケースでは、

  • 即日退職:H氏の退職は、会社との十分な話し合いもなく、一方的に行われています。
  • 連絡の不通:退職後、会社からの連絡に応じず、一方的に歩合給を請求しています。
  • 請求方法:自作の請求書を普通郵便で送付するなど、請求方法にも問題があります。

これらの状況は、H氏の請求が正当なものではない可能性を示唆しています。ただし、これらの要素だけでは、法的義務の有無を決定することはできません。

3. 今後の対応策:法的リスクを最小限に

今回のケースでは、以下の対応策を検討し、法的リスクを最小限に抑えることが重要です。

3.1. 専門家への相談

まずは、労働問題に詳しい弁護士や、社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、給与規定の解釈や、過去の判例などを踏まえ、法的義務の有無について的確なアドバイスをしてくれます。また、今後の対応策についても、具体的な指示をしてくれます。

3.2. 証拠の収集と整理

H氏とのやり取りに関する証拠を、できる限り収集し、整理しておきましょう。具体的には、

  • メールの履歴:H氏とのメールのやり取りを全て保存しておきましょう。
  • 給与規定:給与規定を改めて確認し、コピーを保管しておきましょう。
  • 契約書:H氏が担当した案件の契約書を保管しておきましょう。
  • 工事の進捗状況:各案件の工事の進捗状況や、入金状況に関する記録を整理しておきましょう。

これらの証拠は、今後の交渉や、裁判になった場合の重要な資料となります。

3.3. H氏との話し合い(弁護士同席が望ましい)

専門家のアドバイスに従い、H氏との話し合いを検討しましょう。話し合いの際には、弁護士に同席してもらうことで、法的な観点からの適切な対応が可能になります。話し合いの目的は、

  • 事実確認:H氏の請求内容について、事実確認を行いましょう。
  • 和解の可能性:和解による解決の可能性を探りましょう。
  • 法的根拠の説明:会社側の主張を、法的根拠に基づいて説明しましょう。

話し合いが難航する場合は、弁護士を通じて、内容証明郵便を送付することも検討しましょう。内容証明郵便は、相手に対して、法的措置を検討していることを伝える効果があります。

3.4. 訴訟になった場合の準備

H氏が訴訟を起こす可能性も考慮し、準備をしておきましょう。具体的には、

  • 証拠の準備:前述の証拠を、裁判所に提出できるよう準備しておきましょう。
  • 反論の準備:H氏の主張に対する反論を、事前に準備しておきましょう。
  • 弁護士との連携:弁護士と密接に連携し、訴訟の準備を進めましょう。

訴訟になった場合、専門家のアドバイスに従い、適切な対応をすることが重要です。

4. 未然に防ぐための対策:再発防止のために

今回の問題を教訓に、今後の同様の問題を未然に防ぐための対策を講じましょう。

4.1. 就業規則の見直し

まずは、就業規則や給与規定を見直し、退職後の歩合給の取り扱いについて明確に規定しましょう。具体的には、

  • 歩合給の支給条件:歩合給の発生条件を明確に定義しましょう。
  • 退職後の歩合給の取り扱い:退職後に、未完了の案件に関する歩合給をどのように扱うかを明確に規定しましょう。例えば、「退職日までに完了し、入金された案件については、歩合給を支払う」といった規定を設けることができます。
  • 支給時期:歩合給の支給時期を明確に規定しましょう。

就業規則は、労働基準法などの関連法規に準拠し、従業員に周知する必要があります。

4.2. 労働契約書の整備

労働契約書を整備し、労働条件を明確にしましょう。特に、歩合給に関する事項については、詳細に記載する必要があります。具体的には、

  • 歩合給の計算方法:歩合給の計算方法を明確に記載しましょう。
  • 歩合給の支給対象期間:歩合給の支給対象期間を明確に記載しましょう。
  • 退職時の取り扱い:退職時の歩合給の取り扱いについて、明確に記載しましょう。

労働契約書は、従業員と会社双方にとって、トラブルを未然に防ぐための重要なツールです。

4.3. 従業員への説明と教育

就業規則や労働契約書の内容について、従業員に十分に説明し、理解を深めてもらいましょう。また、歩合給に関する教育を行い、従業員の意識を高めることも重要です。具体的には、

  • 説明会:就業規則や労働契約書に関する説明会を定期的に開催しましょう。
  • 研修:歩合給に関する研修を実施し、従業員の理解を深めましょう。
  • 質疑応答:従業員からの質問に、丁寧に回答しましょう。

従業員が労働条件について正しく理解していれば、トラブルを未然に防ぐことができます。

4.4. 適切なコミュニケーション

従業員との間で、日頃から適切なコミュニケーションを図りましょう。具体的には、

  • 定期的な面談:定期的に従業員との面談を行い、悩みや不満を聞き取りましょう。
  • 情報共有:会社の方針や、業績に関する情報を、積極的に共有しましょう。
  • フィードバック:従業員の頑張りを評価し、適切なフィードバックを行いましょう。

良好なコミュニケーションは、従業員のエンゲージメントを高め、トラブルを未然に防ぐ効果があります。

5. まとめ:法的リスクを回避し、円滑な解決を

今回のケースでは、H氏からの歩合給請求について、法的義務の有無を慎重に判断する必要があります。まずは、専門家への相談、証拠の収集と整理、そしてH氏との話し合いを通じて、円滑な解決を目指しましょう。また、今回の問題を教訓に、就業規則や労働契約書の整備、従業員への説明と教育、適切なコミュニケーションを通じて、今後の同様の問題を未然に防ぎましょう。

リフォーム業界は、競争が激しく、人材の流動性も高い業界です。法的リスクを適切に管理し、従業員との良好な関係を築くことが、会社の成長にとって不可欠です。今回の記事が、あなたの会社のリスク管理に役立ち、健全な経営に貢献できることを願っています。

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