減価償却の勘違いから脱却!中小企業経営者が陥りやすい落とし穴と、賢い資金繰りのヒント
減価償却の勘違いから脱却!中小企業経営者が陥りやすい落とし穴と、賢い資金繰りのヒント
この記事では、中小企業の経営者の方々が陥りやすい、減価償却に関する誤解を解き明かします。 減価償却をキャッシュフローと混同してしまうと、資金繰りが悪化し、経営判断を誤る可能性があります。 そこで、減価償却の正しい理解を深め、資金繰りを改善するための具体的な方法を、ケーススタディ形式で解説していきます。
社長さん、減価償却をキャッシュフローだと勘違いしてはいけません。減価償却費は非資金項目でもないしキャッシュフローでもない。
中小企業の経営者の方は、税理士さん等がいう「減価償却は非資金項目ですから、その分のキャッシュが社内にプールされています」という説明や、銀行マンとの会話で「ええと営業利益が1000万、減価償却が4000万ですか、じゃぁざっくりキャッシュフロー5000万ですね」というやりとりに違和感を持たれる方が多いと思います。
「5000万もキャッシュ増加なんてしてねぇぞ・・・」
腑に落ちず簿記や会計の本を見ると、「減価償却は資金を蓄積する自己金融効果がある」なんて書かれていて、
「わかんねーおれが馬鹿なのかなぁ」と思ったり。
しかし、その感覚が正解です。減価償却は、特別な場合を除き、非資金項目でもないし自己金融効果なんてありません。
リースで5000万の設備を調達したとします。5年リースです。簡易化のため利息は無視します。リース料は毎年1000万です。
借入で5000万の設備を調達したとします。5年返済です。これも簡易化のため利息は無視します。法定耐用年数は10年ですが、賢明な経営者は法定耐用年数なんて制度詐欺に騙されませんから、「自分は制度上の利益や課税所得を、利益だ利益だと勘違いしない」ため、「このご時世、この設備は5年で買換えだな、5年償却で行こう」と決定します。すると減価償却は1000万になります。
損益計算書に、リース支払料が1000万、と記載されていれば、これをだれも非資金項目だの、キャッシュフローだのいいません。
ところが、減価償却費1000万ですか、これは非資金項目ですからねキャッシュフローですね、と得意げに語る税理士さんや簿記1級を持ってますという人や、昔会計士を目指して勉強したんですという会計オタクが参上します。
ここで少し、話を変えます。
借入金の返済ってなんで損益計算書に書かれていないんだろう、と思ったことありませんか?
これは、財務活動と営業活動(資本取引と損益取引等ともいいます)を明確に区分する会計の大原則からきています。
お金を借りて、融資が実行されて、これを売上に計上したら明らかにおかしいですよね。
だから、財務活動のお金の出入りと、営業活動のお金の出入りは明確に区分します。
では、負債の返済は費用ではないのでしょうか?
実は、負債の返済は、費用です。
貴殿の商売で月に家賃100万円を払っているとします。毎月10日に前月の家賃を支払っているとします(あまりこんなことはないと思いますが)
すると、貴殿の商売が、3月末決算の場合、3月分の家賃を支払うのは4月10日なので、家賃を計上しないかというと、しますね。
地代家賃100万/未払費用100万 ←簿記の仕訳にするとこうなります。
そして4月10日に、
未払費用100万/現金100万
と仕訳されます。
未払費用は「負債」です。
家主さんにちょっと待ってもらってる、負債です。
これを翌月「返済して」います。
それが「費用」になっています。
有形固定資産を取得すると、これは将来費用になります。そしてそれを借入金で取得すると、先の例のように返済期間と耐用年数がおなじだと、費用化(減価償却費)と返済が同時に行われており、
「現金の流出を伴う費用」となっています。
非資金項目ではありません。キャッシュフローでもありません。
「現金の流出を伴う費用です」
毎月リース料を払っているのと同じです。
こんなことを書くと、やんややんやとお前は簿記がわかっていない、お前は会計がわかっていない、というコメントが付くと思いますが、いいのです、経営者は簿記がわかることより「経営状態がわかること」を優先しなければなりません。
税理士さんや、お勉強大好きな人たちが本で学んだことの正しくは、減価償却は営業区分上はキャッシュフロー、です。
負債の返済は費用じゃないんだ、と知識で懲り固まった話です。実際受験簿記では、問題を簡易にするため5000万借りた、5年後に一括返済するものとする、という仮定が置かれますが、そんな条件でお金を借りられるのは大企業、優良企業だけです。
もちろん勘違いしないでください、財務活動と営業活動を一緒くたに考えてくださいと言っているわけではありません。
ただ、通常の約定返済の借入を行っている会社が、減価償却は非資金項目だ、キャッシュフローだ、この分のお金は浮いてるんだ、会社のどこかにあるんだ、等という錯覚を起こさないように気をつけてくださいというため、あえて逆説を書いています。簿記や会計の本は、お金が返せなくなる企業を前提にしていないのです。
社長さん「減価償却は非資金項目でもキャッシュフローでもありませぬ」
肝に銘じておいてください。
では反論お待ちしております。
減価償却の罠:中小企業経営者が陥る落とし穴
中小企業の経営者にとって、資金繰りは常に重要な課題です。 減価償却は、会計上は費用として計上されますが、実際に現金が動くわけではないため、「キャッシュフローが増える」と誤解されがちです。 この誤解が、経営判断を誤らせ、資金不足を引き起こす可能性があります。
この記事では、減価償却の基本的な概念から、中小企業経営者が陥りやすい落とし穴、そして、キャッシュフローを改善するための具体的な対策までを、事例を交えながらわかりやすく解説します。
減価償却とは何か?基本を理解する
減価償却とは、固定資産(建物、機械、設備など)の取得にかかった費用を、その資産の使用可能期間にわたって分割して費用計上する会計処理のことです。 簡単に言うと、高額な設備投資の費用を、一度に計上するのではなく、長期間にわたって少しずつ費用として計上するのです。
- 減価償却の目的: 資産の価値が時間の経過とともに減少することを会計的に表現するため。
- 減価償却費: 減価償却によって、各会計期間に計上される費用のこと。
- 非資金項目: 減価償却費は、実際に現金の支出を伴わない費用であるため、非資金項目とされます。
減価償却費は、損益計算書上では費用として計上されますが、キャッシュフロー計算書上では、営業キャッシュフローを計算する際に加算されます。 これは、減価償却費が実際の現金の支出を伴わないため、利益から差し引かれた分を足し戻す必要があるからです。
中小企業経営者が陥りやすい誤解
多くの経営者が、「減価償却費は非資金項目だから、その分だけキャッシュが増える」という誤解をしています。 この誤解は、資金繰りを悪化させる原因となります。
例えば、1,000万円の機械を5年で減価償却する場合、毎年200万円の減価償却費が計上されます。 経営者は、「200万円は現金が減らない費用だから、キャッシュが増える」と考えがちです。 しかし、実際には、機械の購入時に1,000万円の現金が支払われており、減価償却費は、過去の支出を分割して費用計上しているに過ぎません。
さらに、税理士や銀行員が「減価償却費分だけキャッシュが増えている」と説明することがありますが、これはあくまで会計上の概念であり、現実の資金繰りとは異なります。
ケーススタディ:減価償却の誤解による資金繰りの悪化
ある中小企業A社は、最新の設備投資を行い、減価償却費が増加しました。 経営者は、「減価償却費が増えた分、キャッシュが増えている」と誤解し、積極的に事業拡大のための投資を行いました。 しかし、実際には、設備の購入費用を借入金で賄っていたため、毎月の返済額が増加し、資金繰りが悪化。 最終的に、資金不足に陥り、倒産の危機に瀕しました。
この事例からわかるように、減価償却をキャッシュフローと混同すると、安易な投資判断をしてしまい、資金繰りを圧迫する可能性があります。
キャッシュフローを改善するための具体的な対策
減価償却を正しく理解し、資金繰りを改善するためには、以下の対策が重要です。
1. 資金繰り表の作成
毎月の現金の出入りを把握し、資金の過不足を予測するために、資金繰り表を作成しましょう。 資金繰り表を作成することで、将来の資金不足を事前に把握し、対策を講じることができます。
- 収入: 売上、借入金など
- 支出: 仕入れ、給与、家賃、借入金の返済など
- 差引残高: 収入から支出を差し引いた金額
資金繰り表は、エクセルなどの表計算ソフトで簡単に作成できます。 専門家である税理士に相談して、自社の状況に合わせた資金繰り表を作成することも有効です。
2. 借入金の返済計画の見直し
借入金の返済は、キャッシュフローに大きな影響を与えます。 返済期間や金利を見直すことで、毎月の返済額を減らし、資金繰りを改善することができます。 金融機関に相談し、自社の状況に合わせた返済計画を立てましょう。
3. 運転資金の確保
売掛金の回収期間が長い場合や、在庫が多い場合は、運転資金が不足しやすくなります。 運転資金を確保するために、以下のような対策を検討しましょう。
- 売掛金の早期回収: 支払条件を見直す、ファクタリングを利用するなど
- 在庫の削減: 在庫管理を徹底し、無駄な在庫を抱えないようにする
- 金融機関からの融資: 運転資金を借り入れる
4. 設備投資の慎重な検討
設備投資は、将来の利益を生み出すために重要ですが、資金繰りを圧迫する可能性もあります。 設備投資を行う際には、以下の点を考慮しましょう。
- 投資対効果の検証: 投資によってどれだけの利益が見込めるのかを詳細に検討する
- 資金調達: 自己資金だけでなく、借入金やリースなどの資金調達方法を検討する
- キャッシュフローへの影響: 投資によるキャッシュフローへの影響を事前にシミュレーションする
5. 専門家への相談
資金繰りの改善は、専門的な知識が必要です。 税理士や経営コンサルタントなどの専門家に相談し、自社の状況に合わせたアドバイスを受けることが重要です。
専門家は、資金繰り表の作成、借入金の返済計画の見直し、運転資金の確保など、様々な面からサポートしてくれます。 専門家の力を借りることで、より効果的に資金繰りを改善することができます。
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まとめ:減価償却の正しい理解と資金繰りの改善
減価償却は、会計上重要な概念ですが、キャッシュフローを正しく理解することが、中小企業の経営にとって不可欠です。 減価償却をキャッシュフローと混同すると、資金繰りが悪化し、経営判断を誤る可能性があります。 資金繰り表の作成、借入金の返済計画の見直し、運転資金の確保、設備投資の慎重な検討、専門家への相談など、様々な対策を講じることで、キャッシュフローを改善し、安定した経営を実現しましょう。
中小企業の経営者の方々が、この記事を通じて、減価償却の正しい理解を深め、資金繰りを改善し、事業の発展に貢献できることを願っています。