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点滴ルートの交換、安全かつスムーズに進めるには?看護師が知っておくべき手順と注意点

点滴ルートの交換、安全かつスムーズに進めるには?看護師が知っておくべき手順と注意点

この記事では、看護師の皆さんが日々の業務で直面する「点滴ルートの交換」に関する疑問に焦点を当て、安全かつスムーズな手順を解説します。特に、ルート内に液体がなく空になっている場合の対応や、三方活栓(三活)の扱いについて、具体的な方法と注意点を詳しく説明します。現役看護師の方々が直面する課題を解決し、患者さんの安全を守るための実践的な情報を提供することを目指します。

看護師の方に質問です。点滴バッグを既についているルートにつける時、ルート内に液が全くなく、空になっている場合、どのように付け替えればよろしいでしょうか? そのまま流すと空気が入ってしまいますよね? 点滴ルートを外さずに行う方法をお願いします。

患者側の三方活栓(三活)を閉じると輸液が流れないのですが…(ちなみに三活にはすべてゴムの括栓キャップがついています)どうしたらよろしいですか?

点滴ルート交換の基本:安全な手順と注意点

点滴ルートの交換は、患者さんの安全と快適な治療のために非常に重要な看護業務です。手順を誤ると、空気塞栓や感染のリスクを高める可能性があります。ここでは、安全な点滴ルート交換の手順と、特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

1. 準備と確認

必要な物品の準備

  • 新しい点滴バッグ
  • 新しい点滴ルート
  • アルコール綿または消毒綿
  • 清潔な手袋
  • クレンメ(必要に応じて)

患者さんの確認

患者さんの氏名、病室番号、アレルギーの有無、投与する薬剤の種類と量、投与速度などを確認します。医師の指示と照らし合わせ、間違いがないか確認することが重要です。

2. 手洗いと手袋の装着

感染予防のために、手指衛生は非常に重要です。石鹸と流水による手洗い、または手指消毒用アルコールを使用し、手指を清潔にします。その後、清潔な手袋を装着します。

3. 点滴ルートの準備

新しい点滴ルートを開封し、クレンメを閉じておきます。点滴バッグにルートを接続する前に、ルート内を輸液で満たす必要があります。ルートの先端のキャップを外し、点滴バッグに接続します。点滴バッグを吊り下げ、クレンメを開き、ルート内に輸液を満たします。ルート内の空気が完全に抜けていることを確認し、先端のキャップを再度閉めます。

4. 古い点滴ルートの取り外し

古い点滴ルートを患者さんの静脈内留置針から外す前に、クレンメを閉じて輸液の流れを止めます。点滴ルートと留置針の接続部分をアルコール綿で消毒し、ルートをゆっくりと外します。外したルートは、感染性廃棄物として適切に処理します。

5. 新しい点滴ルートの接続

新しい点滴ルートの先端のキャップを外し、患者さんの静脈内留置針に接続します。接続部分をアルコール綿で消毒し、しっかりと接続します。クレンメを開き、輸液がスムーズに流れることを確認します。点滴速度を調整し、医師の指示に従って設定します。

6. 観察と記録

点滴開始後、患者さんの状態を観察します。点滴部位の発赤、腫れ、痛み、浸潤などの異常がないか確認します。患者さんに異変がないか確認し、点滴速度、残量、患者さんの状態などを記録します。

ルート内に空気が入らないようにするには?空気が入った場合の対処法

点滴ルート内に空気が混入すると、空気塞栓のリスクがあります。ここでは、空気が入らないようにするための具体的な対策と、万が一空気が入ってしまった場合の対処法を解説します。

空気が入らないための対策

  • ルート内の空気抜きを徹底する:新しいルートを点滴バッグに接続する際、ルート内を輸液で完全に満たし、空気を完全に除去します。ルートの先端を上向きにし、軽く叩くなどして空気を追い出すと効果的です。
  • 接続部分の確認:ルートと点滴バッグ、ルートと留置針の接続部分がしっかりと接続されているか確認します。緩みがあると、そこから空気が混入する可能性があります。
  • 点滴バッグの残量に注意する:点滴バッグの残量が少なくなると、ルート内に空気が入りやすくなります。バッグの交換時期を早めるなど、残量に注意しましょう。
  • 患者さんの体位:患者さんの体位によっては、ルート内に空気が溜まりやすくなることがあります。患者さんの体位を調整し、ルート内の空気の偏りを防ぎます。

空気が入ってしまった場合の対処法

  • クレンメを閉じる:ルート内に空気が入っていることに気づいたら、すぐにクレンメを閉じて輸液の流れを止めます。
  • ルート内の空気を除去する:ルート内に溜まった空気を、シリンジなどで吸引して除去します。ルートを軽く叩き、空気を上部に集めると除去しやすくなります。
  • 新しいルートに交換する:空気が除去できない場合や、空気の混入量が多い場合は、新しいルートに交換します。
  • 患者さんの状態観察:空気塞栓の症状(呼吸困難、胸痛、意識障害など)がないか観察し、異常があれば医師に報告します。

三方活栓(三活)の正しい扱い方:トラブルシューティング

三方活栓(三活)は、複数の薬剤投与やルートの切り替えに便利なツールですが、使い方を誤ると、薬剤の逆流や空気混入の原因となります。ここでは、三活の正しい使い方と、トラブルが発生した場合の対処法を解説します。

三方活栓(三活)の基本

三活は、3つのポートがあり、それぞれに接続されたルートからの薬剤投与や、ルートの切り替えが可能です。三活の向きを変えることで、どのポートとどのポートを繋ぐかを制御します。三活の向きは、薬剤の投与経路を決定する重要な要素です。

三方活栓(三活)の正しい使い方

  • 接続の確認:三活に接続するルートや薬剤の種類を確認し、指示された投与経路に従って接続します。
  • 向きの確認:三活の向きが、正しい投与経路になっているか確認します。薬剤が正しく投与されるように、三活の向きを調整します。
  • エア抜きの徹底:三活に接続するルートやシリンジ内の空気を完全に除去します。空気が混入すると、空気塞栓のリスクが高まります。
  • キャップの装着:使用しないポートには、必ずキャップを装着します。キャップが緩んでいると、そこから空気が混入したり、薬剤が漏れたりする可能性があります。

三方活栓(三活)のトラブルシューティング

  • 薬剤が流れない場合:三活の向きが正しくない可能性があります。投与経路を確認し、三活の向きを調整します。また、ルートにクレンメが閉じていないか、接続部分が外れていないか確認します。
  • 薬剤が逆流する場合:三活の向きが逆になっている可能性があります。投与経路を確認し、三活の向きを調整します。また、薬剤の投与速度が速すぎると、逆流が起こることがあります。投与速度を調整します。
  • 空気が混入する場合:接続部分が緩んでいる可能性があります。接続部分をしっかりと締め直します。また、キャップが緩んでいる場合も、空気が混入することがあります。キャップをしっかりと装着します。

点滴ルート交換の際に役立つその他のヒント

点滴ルートの交換を安全かつスムーズに行うために、以下のヒントも参考にしてください。

  • 記録の徹底:点滴ルート交換の日時、使用したルートの種類、交換理由、患者さんの状態などを記録します。記録は、医療事故の防止や、患者さんの治療の質の向上に役立ちます。
  • 患者さんへの説明:点滴ルート交換を行う前に、患者さんに交換の必要性や手順を説明します。患者さんの不安を軽減し、協力が得られるように努めます。
  • チームワーク:点滴ルート交換は、一人で行うことも可能ですが、他の看護師と協力することで、より安全かつスムーズに行うことができます。
  • 継続的な学習:点滴ルート交換に関する最新の情報や技術を習得するために、継続的に学習します。

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まとめ:安全な点滴ルート交換のために

この記事では、看護師の皆さんが点滴ルート交換を行う際に直面する様々な疑問に対し、安全な手順と注意点、トラブルシューティングについて解説しました。点滴ルート交換は、患者さんの安全を守るために非常に重要な看護業務です。この記事で得た知識を活かし、日々の業務に役立ててください。

参考文献

  • 日本看護協会
  • 厚生労働省
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