80代の母の異変…これは認知症？仕事や投資への影響と、今できること

この記事では、80歳を過ぎたお母様の言動の変化に不安を感じているあなたに向けて、具体的なアドバイスを提供します。特に、電話の回数が増えたり、同じ話を繰り返したりするなどの行動について、それが認知症の兆候なのか、あるいは単なる加齢によるものなのかを判断するためのヒントをお伝えします。さらに、お母様が株式投資を続けているという状況を踏まえ、仕事や投資への影響、そして今できる対策について、専門的な視点から解説します。

８０才を過ぎる母が基本的には普通なのですが、最近、電話の回数が多く一日何回も有り、一度切ってから１０分以内にまた連絡が来る事もしばしばあります。内容も同じ事をクドク言う事もありますが、基本、母は株式投資などもやっており、信用取引などで売り買いをバタバタやり、営業マンの勧誘もほとんど乗らず自分なりの投資判断でやり利益も出し経済知識も堪能です。でもやはり年も年ですし何か悪い兆候なのでしょうか？よろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。80歳を過ぎたお母様の言動の変化について、ご心配な気持ち、よく理解できます。特に、電話の回数が増えたり、同じ話を繰り返したりするなどの行動は、ご家族にとって不安を感じるものです。しかし、お母様が株式投資で利益を出し、経済知識も豊富であるという点は、認知機能が完全に低下しているわけではない可能性を示唆しています。この記事では、このような状況を踏まえ、認知症の可能性や、仕事や投資への影響、そして今できる対策について、具体的に解説していきます。

1. 状況の整理と初期対応：何が起きているのか？

まず、現状を客観的に整理し、初期対応として何ができるかを考えてみましょう。お母様の状況を詳細に把握することが、適切な対応への第一歩です。

1.1. 現状の行動パターンを記録する

まずは、お母様の行動パターンを記録することから始めましょう。具体的には、以下の点を記録します。

電話の回数と時間帯： 1日に何回電話がかかってくるのか、時間帯はいつなのかを記録します。
電話の内容： どのような内容の話をするのか、同じ話を繰り返す場合は、その内容を具体的に記録します。
その他の行動： 普段の生活で、何か変化した点（物忘れ、言葉が出てこない、新しいことを覚えられないなど）があれば、それも記録します。

この記録は、専門家への相談や、今後の対応を考える上で非常に役立ちます。記録期間は、少なくとも1週間程度を目安としましょう。

1.2. 専門家への相談を検討する

記録を基に、専門家への相談を検討しましょう。相談先としては、以下のような機関が考えられます。

かかりつけ医： まずは、かかりつけ医に相談してみましょう。お母様の健康状態をよく知っているので、適切なアドバイスや、必要に応じて専門医への紹介をしてくれます。
物忘れ外来・認知症専門医： 認知症の専門医は、認知機能の評価や診断、治療について専門的な知識を持っています。必要に応じて、検査や精密検査を受けることもできます。
地域包括支援センター： 地域包括支援センターは、高齢者の介護や福祉に関する相談窓口です。介護保険サービスや、認知症に関する情報提供、相談支援などを行っています。

専門家への相談は、早期発見と適切な対応のために非常に重要です。一人で抱え込まず、積極的に相談しましょう。

2. 認知症の可能性を探る：見分けるためのチェックリスト

お母様の状況が認知症の兆候である可能性も考慮し、認知症の早期発見に役立つチェックリストをご紹介します。ただし、このチェックリストはあくまで目安であり、自己判断ではなく、専門家への相談と合わせて活用してください。

2.1. 認知症のサインチェックリスト

以下の項目について、お母様の状況を振り返ってみましょう。当てはまる項目が多いほど、認知症の可能性が高まります。

記憶力の低下： 最近のことを思い出せない、同じ話を繰り返す、約束を忘れる、物の置き場所を忘れるなど。
判断力の低下： 以前はできていたことができなくなる、お金の管理ができなくなる、詐欺に遭いやすくなるなど。
見当識の障害： 時間や場所、人がわからなくなる、道に迷うなど。
言語能力の低下： 言葉が出てこない、話の内容が理解できない、話がまとまらないなど。
実行機能の障害： 計画を立てて実行することが苦手になる、複数のことを同時にこなすことができなくなるなど。
性格や行動の変化： 怒りやすくなる、疑い深くなる、意欲がなくなる、徘徊する、暴言を吐くなど。
視空間認識能力の低下： 距離感がつかめない、物が立体的に見えない、空間認識能力が低下するなど。

これらの項目に複数当てはまる場合、専門家への相談を急ぎましょう。

2.2. 認知症の種類と特徴

認知症には、様々な種類があります。それぞれの種類によって、症状や進行の仕方が異なります。代表的な認知症の種類と特徴を以下に示します。

アルツハイマー型認知症： 記憶障害から始まり、徐々に進行します。初期には、物忘れや言葉が出てこないなどの症状が現れます。
レビー小体型認知症： 記憶障害に加えて、幻視やパーキンソン症状（手足の震え、動作が遅くなるなど）が現れることがあります。
血管性認知症： 脳梗塞や脳出血など、脳血管の病気が原因で起こります。まだら認知症といわれ、症状の波があるのが特徴です。
前頭側頭型認知症： 行動や性格の変化が主な症状です。万引きや暴言、異食などの行動が見られることがあります。

専門医は、これらの情報を基に、適切な診断と治療を行います。

3. 株式投資と認知症：リスクと対策

お母様が株式投資を続けているという状況は、認知症の進行に伴い、様々なリスクを伴います。ここでは、そのリスクと、具体的な対策について解説します。

3.1. 株式投資のリスク

認知症が進むと、株式投資において以下のようなリスクが高まります。

判断力の低下： 株式の売買判断が適切にできなくなる、リスクの高い投資をしてしまうなど。
記憶力の低下： 投資内容を忘れてしまう、証券会社の連絡を忘れるなど。
金銭管理能力の低下： 詐欺に遭いやすくなる、お金の管理ができなくなるなど。
感情のコントロールが難しくなる： 損失を過度に恐れたり、感情的な判断をしてしまうなど。

これらのリスクを放置すると、大きな損失を招く可能性があります。

3.2. 株式投資への対策

お母様の株式投資に関するリスクを軽減するために、以下の対策を検討しましょう。

資産状況の把握： お母様の資産状況を把握し、投資内容やリスクの度合いを確認します。
専門家への相談： 証券会社の担当者や、ファイナンシャルプランナーに相談し、適切なアドバイスを受けます。
投資内容の見直し： リスクの高い投資を避け、安定的な投資に切り替えることを検討します。例えば、分散投資や、長期保有を前提とした投資などです。
家族によるサポート： 投資に関する情報を共有し、定期的に状況を確認します。必要に応じて、代理での売買や、資産管理をサポートします。
成年後見制度の利用： 認知症が進み、判断能力が低下した場合、成年後見制度を利用することも検討します。成年後見人は、本人の財産管理や、身上監護を行います。

これらの対策を講じることで、お母様の資産を守り、安心して株式投資を続けることができるようにサポートできます。

4. 仕事への影響と対応策

お母様がもし、何らかの形で仕事に関わっている場合、認知症の進行は、その仕事にも影響を及ぼす可能性があります。ここでは、仕事への影響と、具体的な対応策について解説します。

4.1. 仕事への影響

認知症が進むと、仕事において以下のような影響が考えられます。

集中力の低下： 仕事に集中できなくなる、ミスが増えるなど。
記憶力の低下： 仕事の内容を忘れる、指示を理解できないなど。
判断力の低下： 適切な判断ができなくなる、問題解決能力が低下するなど。
コミュニケーション能力の低下： コミュニケーションがうまくいかなくなる、人間関係が悪化するなど。

これらの影響により、仕事のパフォーマンスが低下し、職場でのトラブルにつながる可能性もあります。

4.2. 仕事への対応策

お母様が仕事に関わっている場合、以下の対応策を検討しましょう。

本人の意思確認： まずは、お母様本人の意思を確認し、仕事への意欲や、今後の働き方について話し合います。
仕事内容の見直し： 負担の少ない仕事内容に変更する、得意な分野に特化するなど、仕事内容を見直します。
勤務時間の調整： 勤務時間を短縮する、休憩時間を増やすなど、勤務時間を調整します。
職場への相談： 上司や同僚に相談し、理解と協力を求めます。必要に応じて、サポート体制を整えます。
退職の検討： 状況によっては、退職も選択肢の一つとなります。本人の意思を尊重し、最適な選択をサポートします。

これらの対応策を講じることで、お母様が安心して仕事を続けられるようにサポートできます。

5. 今、あなたができること：具体的なステップ

ご相談者であるあなたが、今できることを具体的に整理し、ステップごとに解説します。

5.1. ステップ1：情報収集と記録

行動パターンの記録： 上記の「1.1. 現状の行動パターンを記録する」を参考に、お母様の行動を記録します。
情報収集： 認知症に関する情報を集め、理解を深めます。信頼できる情報源（医師、専門機関、書籍など）を活用しましょう。

5.2. ステップ2：専門家への相談

かかりつけ医への相談： まずは、かかりつけ医に相談し、状況を説明します。
専門医への紹介： 必要に応じて、物忘れ外来や認知症専門医を紹介してもらい、専門的な診断を受けます。
地域包括支援センターへの相談： 介護保険サービスや、認知症に関する情報提供、相談支援について、地域包括支援センターに相談します。

5.3. ステップ3：対策の実施

株式投資のリスク対策： 上記の「3. 株式投資と認知症：リスクと対策」を参考に、株式投資に関するリスク対策を行います。
仕事への対応： 上記の「4. 仕事への影響と対応策」を参考に、仕事に関する対応を行います。
家族間の連携： 家族間で情報を共有し、協力して対応します。

5.4. ステップ4：継続的な見守り

定期的な状況確認： お母様の状況を定期的に確認し、変化があれば、速やかに対応します。
専門家との連携： 専門家との連携を継続し、適切なアドバイスを受け続けます。
心のケア： 介護は、ご本人だけでなく、ご家族にとっても負担が大きいです。必要に応じて、専門家のサポートや、相談窓口を利用し、心のケアを行いましょう。

6. まとめ：早期発見と適切な対応が大切

80歳を過ぎたお母様の言動の変化は、ご家族にとって大きな不安を引き起こすものです。しかし、早期に適切な対応をすることで、その不安を軽減し、お母様の生活の質を維持することができます。今回の記事で解説した内容を参考に、現状を客観的に把握し、専門家への相談、そして適切な対策を講じていきましょう。

認知症は、早期発見と適切な対応が非常に重要です。ご家族だけで抱え込まず、専門家や地域のサポートを活用しながら、お母様を支えていきましょう。

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