双極性障害とキャリア：あなたの「安定」は本当に大丈夫？自己判断のリスクと、仕事との向き合い方

この記事では、双極性障害2型を抱えながら、自営業としてキャリアを築いているあなたが抱える「安定」への疑問に焦点を当てます。薬の自己判断による減薬や断薬、そして現状の「安定」が躁状態なのかどうかという不安。これらの問題に対し、専門家としての視点と、具体的なアドバイスを提供します。あなたのキャリアと健康を両立させるためのヒントを見つけましょう。

双極性障害２型です。投薬は2015年10月からです。

４月に鬱が強くなって、通常飲んでいたリーマス、エビリファイ、レンドルミン（眠剤）ソラナックス（頓服）に加え、1カ月前から抗鬱剤のセルトラリンが増やされ飲んでました。

ゴールデンウィーク中にリーマス（寝る前だけ）とセルトラリン（朝食後）を飲み忘れた事があった翌日、とても調子が良くなり体が軽くなりましたので、その後自己判断でリーマスとセルトラリンを飲むのを止めました。主治医には嫌な顔をされてしまいましたが、「それで調子が良いなら、エビリファイとソラナックスとレンドルミンで様子見て下さい。」と言われ次回の診断は1カ月後という事になりました。

４月は本当に鬱が酷くて寝たきりで仕事もずっと休んでましたが２つの薬を止めてから、2週間が立ちますが、簡単な料理も作れるし、仕事も徐々に始め出し（自営業）、気を使わない友人には会えるようになりました。

私はこのまま、エビリファイと頓服のソラナックスで大丈夫だな。と思っています。安定していると思っています。ですが、これは躁状態なのでしょうか？自分で躁の状態がわからないのでもし、そのままでは危険だよ。とかもしくは、断薬しても大丈夫だよ。などの意見を聞けたら助かります。宜しくお願い致します。

はじめに：自己判断のリスクと、専門家への相談の重要性

まず、あなたの現状に対する率直な意見を述べます。自己判断での減薬や断薬は、非常にリスクが高い行為です。双極性障害の治療は、薬物療法と精神療法を組み合わせ、長期的な視点で行う必要があります。自己判断での薬の調整は、病状の悪化や再発のリスクを高める可能性があります。しかし、現状のあなたの「安定」が、本当に安定なのか、それとも躁状態の始まりなのかを見極めることは非常に重要です。

この記事では、あなたの状況を詳細に分析し、以下の3つのステップで、あなたの疑問に答えていきます。

双極性障害2型の基礎知識と、躁状態の見分け方
自己判断での減薬・断薬のリスクと、専門家との連携の重要性
あなたのキャリアと健康を両立させるための具体的なアドバイス

1. 双極性障害2型の基礎知識と、躁状態の見分け方

双極性障害2型は、躁状態（軽躁状態）とうつ状態を繰り返す精神疾患です。躁状態は、気分が高揚し、活動的になる状態ですが、時に衝動的な行動や判断力の低下を伴います。一方、うつ状態は、気分の落ち込み、意欲の低下、睡眠障害などを引き起こします。双極性障害2型の場合、躁状態は1型に比べて軽度であることが多く、見過ごされがちです。

1-1. 躁状態のサインを見抜くためのチェックリスト

以下のチェックリストは、あなたが躁状態にあるかどうかを判断するための参考になります。以下の項目に当てはまるものが多いほど、躁状態の可能性が高まります。

注意：このチェックリストは自己診断を目的としたものではありません。あくまで参考として、専門医の診断を受ける際の材料として活用してください。

気分：
- 気分が高揚し、異常に楽観的になっている
- イライラしやすく、怒りっぽい
思考：
- 考えが次々と浮かび、話がとびやすい（観念奔逸）
- 集中力、注意力が低下している
- 現実離れした考えや、誇大な考えを持つ
行動：
- 睡眠時間が短くても平気
- 普段より多弁になる
- 落ち着きがなく、じっとしていられない
- 浪費や無謀な行動をする
- 性的な行動が過剰になる
- 普段より多くのことを同時進行しようとする
身体的な変化：
- 食欲不振
- エネルギーに満ち溢れている

1-2. あなたの状況を分析する

あなたの状況をチェックリストに照らし合わせてみましょう。薬を自己判断で減薬・断薬した後に、気分が良くなり、仕事もできるようになり、友人とも会えるようになったとのこと。これは、一見すると良い状態に見えますが、注意が必要です。

以下の点に注意して、あなたの状況を客観的に評価してみましょう。

睡眠時間：睡眠時間は適切ですか？睡眠時間が短くなっている場合は、躁状態の可能性があります。
思考のスピード：考えが次々と浮かび、話がとびやすくなっていませんか？
行動の変化：普段よりも活動的になりすぎていませんか？浪費や無謀な行動をする傾向はありませんか？
周囲の意見：あなたの変化について、友人や家族はどのように感じていますか？客観的な意見を聞くことも重要です。

2. 自己判断での減薬・断薬のリスクと、専門家との連携の重要性

自己判断での減薬・断薬は、なぜ危険なのでしょうか？そして、専門家との連携がなぜ重要なのでしょうか？

2-1. 自己判断のリスク

双極性障害の治療薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで、症状をコントロールします。自己判断で薬を減らしたり、やめたりすると、このバランスが崩れ、症状が悪化する可能性があります。

具体的には、以下のようなリスクが考えられます。

再発：躁状態やうつ状態が再発し、症状がさらに悪化する可能性があります。
離脱症状：薬を急にやめると、離脱症状が現れることがあります。これは、不眠、不安、イライラ、吐き気など、様々な症状を引き起こします。
治療の遅れ：症状が悪化した場合、再び治療を開始するまでに時間がかかり、その間の生活に支障をきたす可能性があります。

2-2. 専門家との連携の重要性

双極性障害の治療は、主治医との密接な連携が不可欠です。主治医は、あなたの病状を正確に把握し、適切な薬物療法や精神療法を提供します。

専門家との連携には、以下のようなメリットがあります。

正確な診断と治療：専門医は、あなたの症状を詳細に評価し、適切な診断と治療計画を立てます。
薬の調整：薬の副作用や効果をモニタリングし、必要に応じて薬の量を調整します。
精神療法：認知行動療法などの精神療法を提供し、症状のコントロールを助けます。
再発予防：再発の兆候を早期に発見し、適切な対応をすることで、再発を予防します。

あなたの主治医は、あなたの自己判断に「嫌な顔」をしたとのことですが、これは当然の反応です。主治医は、あなたの健康を第一に考えており、自己判断のリスクを理解しているからです。

必ず、主治医と相談し、指示に従って薬を調整するようにしましょう。

3. あなたのキャリアと健康を両立させるための具体的なアドバイス

双極性障害を抱えながら、自営業としてキャリアを築くことは、容易ではありません。しかし、適切なサポートと対策があれば、両立は可能です。

以下に、あなたのキャリアと健康を両立させるための具体的なアドバイスを提示します。

3-1. 主治医との連携を強化する

まず、主治医との連携を強化しましょう。定期的な診察を受け、あなたの症状や困っていることを正直に伝えましょう。薬の調整や、精神療法について相談しましょう。

具体的には、以下のようなことを心がけましょう。

症状の記録：日々の気分や体調、睡眠時間、食事、服薬状況などを記録しましょう。この記録は、主治医との診察に役立ちます。
質問の準備：診察前に、主治医に聞きたいことをリストアップしておきましょう。
服薬の徹底：主治医の指示通りに薬を服用しましょう。自己判断での減薬や断薬は絶対にやめましょう。
セカンドオピニオン：必要であれば、他の精神科医の意見を聞いてみましょう。

3-2. 精神療法を取り入れる

薬物療法に加えて、精神療法も非常に有効です。認知行動療法（CBT）や対人関係療法（IPT）など、様々な精神療法があります。

精神療法は、あなたの考え方や行動パターンを変え、症状のコントロールを助けます。

主治医に相談し、あなたに合った精神療法を探しましょう。

3-3. ライフスタイルを整える

健康的なライフスタイルは、双極性障害の症状を安定させるために重要です。

以下のようなことに取り組みましょう。

規則正しい生活：睡眠時間、食事時間、起床時間、就寝時間を一定に保ちましょう。
バランスの取れた食事：栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
適度な運動：適度な運動は、気分を安定させ、ストレスを軽減します。
ストレス管理：ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作りましょう。
休息：十分な休息を取り、疲労を溜めないようにしましょう。
カフェインやアルコールの摂取を控える：カフェインやアルコールは、症状を悪化させる可能性があります。

3-4. 仕事の環境を整える

自営業の場合、仕事の環境を自分でコントロールできるというメリットがあります。

以下のような工夫をすることで、仕事と健康の両立を目指しましょう。

無理のない働き方：自分の体調に合わせて、仕事量を調整しましょう。
休息時間の確保：こまめに休憩を取り、疲労を溜めないようにしましょう。
周囲への理解：必要であれば、家族や友人、クライアントに病気について説明し、理解を得ましょう。
サポートの活用：必要であれば、精神保健福祉士やカウンセラーなどの専門家のサポートを受けましょう。
仕事の優先順位付け：重要な仕事に集中し、緊急度の低い仕事は後回しにするなど、効率的に働きましょう。

3-5. 困ったときの相談先を見つける

一人で抱え込まず、困ったときは誰かに相談しましょう。

以下のような相談先があります。

主治医：あなたの病状について最も詳しい専門家です。
精神保健福祉士：生活上の困りごとや、福祉サービスについて相談できます。
カウンセラー：心の悩みやストレスについて相談できます。
家族や友人：あなたのことをよく知っている人に、話を聞いてもらいましょう。
地域の相談窓口：各自治体には、精神保健に関する相談窓口があります。

これらのアドバイスを参考に、あなたのキャリアと健康を両立させ、充実した人生を送ってください。

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まとめ：あなたの「安定」を守るために

この記事では、双極性障害2型を抱えながら、自営業としてキャリアを築いているあなたが抱える「安定」への疑問について、専門家としての視点からアドバイスを提供しました。自己判断での減薬や断薬のリスク、躁状態の見分け方、そしてキャリアと健康を両立させるための具体的な方法について解説しました。

最後に、最も重要なことを繰り返します。あなたの「安定」を守るために、以下のことを実践してください。

主治医との連携を強化する：定期的な診察を受け、症状や服薬について相談しましょう。
自己判断での薬の調整はしない：必ず主治医の指示に従いましょう。
健康的なライフスタイルを送る：規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけましょう。
困ったときは相談する：一人で抱え込まず、専門家や信頼できる人に相談しましょう。

あなたのキャリアと健康が、共に輝き続けることを心から願っています。

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