自営業の夫との離婚、養育費はどうなる？専門家が教える、隠された収入の見つけ方と交渉術

この記事では、自営業の夫との離婚を控え、養育費の算定でお悩みの方に向けて、具体的な解決策と交渉術を解説します。特に、夫が収入を隠している場合、どのようにして真実を明らかにし、適正な養育費を勝ち取るか、そのためのステップと注意点について詳しく説明します。

離婚が決まり、養育費の話になりました。旦那は自営業で、脱税をしています。1500万ほどの年収ですが、900万で申告し、さらに赤字で出してるそうなので役所には無収入だそうです。子供が2人いて、養育費算定表を参考に見ると２人で18万は払ってもらえるはずが、俺は0申告してるから普通は養育費貰えないと思え。２人6万が一般平均額だろ、と言われ6万の養育費しか出さないと言われました。

給与明細はありません。隠し金(1000万はあるそうで)も教えないと言われました。ただ、今までの収入の半分ほどは私の通帳に記帳されてますので出し入れを見れば収入を誤魔化してると判断してもらえるでしょうか？

18万の養育費は貰いすぎだとは思いますが、せめてもう少しでも多く養育費をきちんと払っていただきたいのです。脱税をバラすとその6万でさえも養育費が貰えなくなるかもと他の回答で見ましたが、どうなるでしょうか。

バラして、脱税分を分割で払いながら、きちんとした額の養育費は貰えないものでしょうか。

1. 養育費の基本と、なぜ自営業者は問題が複雑になるのか

養育費は、離婚後の子供の生活を保障するために、親が支払うべき費用です。養育費の金額は、通常、裁判所が公開している「養育費算定表」を参考に決定されます。この算定表は、親の収入と子供の人数、年齢に基づいて、おおよその金額を示しています。

しかし、自営業者の場合、収入の把握が難しく、養育費の算定が複雑になることがあります。その主な理由は以下の通りです。

収入の隠蔽: 自営業者は、経費を過大に計上したり、収入を意図的に少なく申告したりすることで、収入を隠す可能性があります。
給与明細の不在: 会社員と異なり、給与明細がないため、収入を証明する資料が不足しがちです。
資産の隠匿: 隠し口座や不動産など、資産を隠している場合、それも養育費の算定に影響します。

今回のケースでは、夫が脱税をしていることが問題の根幹にあります。脱税は違法行為であり、養育費の算定においても、正当な収入を隠蔽する行為として扱われます。この問題に対処するためには、専門家のサポートと、証拠の収集が不可欠です。

2. 収入隠しを見抜くための具体的なステップ

夫が収入を隠している場合、以下のステップで真実を明らかにしていくことが重要です。

ステップ1: 証拠となる資料の収集

まずは、夫の収入を推測できる証拠を集めることから始めましょう。具体的には、以下の資料が有効です。

預貯金通帳: 過去の取引履歴から、収入の入金や、生活費以外の支出（隠し金への移動など）を把握できます。今回のケースでは、奥様の通帳に収入の半分が記帳されているとのことですので、これは非常に重要な証拠となります。
確定申告書: 過去数年分の確定申告書を入手し、記載内容に矛盾がないか確認します。特に、売上高や所得金額、経費の内訳に注目しましょう。
税務署への情報開示請求: 税務署に、夫の所得に関する情報を開示請求することができます。弁護士を通じて行うのが一般的です。
取引先との契約書や請求書: 夫の事業に関わる契約書や請求書があれば、売上高を裏付ける証拠となります。
クレジットカードの利用明細: 事業に関する支出と、個人的な支出を区別することで、収入の使途をある程度把握できます。
不動産やその他の資産に関する資料: 不動産や株式などの資産を所有している場合、それらの価値も養育費の算定に影響します。

ステップ2: 専門家への相談

証拠収集と並行して、弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。専門家は、集めた証拠を分析し、法的観点から有効な対策を提案してくれます。また、税務署への情報開示請求や、裁判所への訴訟提起などもサポートしてくれます。

弁護士: 離婚問題に詳しい弁護士は、養育費の算定や、財産分与に関する法的なアドバイスを提供します。また、裁判所への手続きを代行することも可能です。
税理士: 税務に関する専門家である税理士は、夫の収入の実態を把握するためのアドバイスや、税務署への対応をサポートします。

ステップ3: 裁判所への調停・訴訟

話し合いで養育費の金額が決まらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停では、調停委員が間に入り、話し合いをサポートしてくれます。調停でも合意に至らない場合は、裁判を起こし、裁判官に養育費の金額を決定してもらうことになります。

裁判では、集めた証拠を提出し、夫の収入の実態を主張します。裁判官は、提出された証拠や、当事者の主張に基づいて、養育費の金額を決定します。

3. 脱税を告発することのリスクとメリット

夫の脱税を告発するかどうかは、非常に難しい判断です。告発することには、メリットとリスクの両方があります。

メリット

適正な養育費の獲得: 脱税が認められれば、正しい収入に基づいて養育費が算定されるため、より多くの養育費を受け取れる可能性があります。
夫への制裁: 脱税が発覚した場合、夫は追徴課税や罰金などの制裁を受けることになります。
社会的な正義の実現: 脱税は違法行為であり、告発することで、社会的な正義を実現することができます。

リスク

関係の悪化: 夫との関係がさらに悪化し、離婚協議が難航する可能性があります。
養育費の減額: 夫が意図的に収入を減らすなどして、結果的に養育費が減額される可能性も否定できません。
報復: 夫があなたに対して、嫌がらせや報復を行う可能性があります。

今回のケースでは、夫が「脱税をバラすと6万円の養育費さえもらえなくなる」と発言していることから、脱税を告発することのリスクも考慮する必要があります。しかし、隠された収入を明らかにし、適正な養育費を勝ち取るためには、脱税を告発することも選択肢の一つとなります。

4. 交渉術：夫との話し合いを有利に進めるために

夫との話し合いを有利に進めるためには、以下の点を意識しましょう。

冷静な態度を保つ: 感情的にならず、冷静に話し合いを進めることが重要です。
証拠を提示する: 収集した証拠を提示し、夫に収入の実態を認めさせましょう。
専門家の意見を活用する: 弁護士や税理士などの専門家の意見を参考に、交渉を進めましょう。
譲歩点を見つける: 互いに譲歩できる点を見つけ、落としどころを探りましょう。
合意書を作成する: 養育費の金額や支払い方法について合意したら、必ず合意書を作成し、法的効力を持たせましょう。

交渉が難航する場合は、弁護士に依頼し、交渉を代行してもらうことも検討しましょう。弁護士は、法的な知識と交渉術を駆使して、あなたの権利を守ります。

5. 養育費の増額請求と、そのための準備

養育費は、一度決定された後でも、状況の変化に応じて増額請求することができます。例えば、子供の進学や、病気などにより、養育費が増加した場合などです。

養育費の増額請求を行うためには、以下の準備が必要です。

増額が必要な理由を明確にする: なぜ養育費を増額する必要があるのか、具体的な理由を説明できるように準備しましょう。
証拠を収集する: 増額の理由を裏付ける証拠（医療費の領収書、学費の請求書など）を収集しましょう。
相手との話し合い: まずは、相手と話し合い、増額について合意を得るように努めましょう。
調停・訴訟: 話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てるか、訴訟を起こすことになります。

養育費の増額請求は、専門的な知識が必要となる場合があります。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

6. 養育費の未払いに対応する方法

養育費の支払いが滞った場合、以下の方法で対応することができます。

督促: まずは、相手に支払いを督促しましょう。内容証明郵便を送ることで、証拠を残すことができます。
強制執行: 養育費の支払いが滞っている場合、裁判所の判決や調停調書に基づいて、強制執行を行うことができます。強制執行により、相手の給与や財産を差し押さえ、養育費を回収することができます。
弁護士への相談: 養育費の未払いに関する問題は、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。弁護士は、強制執行の手続きや、未払い分の回収をサポートしてくれます。

7. まとめ：自営業者の夫との離婚、養育費問題の解決に向けて

自営業者の夫との離婚における養育費の問題は、複雑で困難を伴うものです。しかし、適切な準備と専門家のサポートがあれば、必ず解決の道は開けます。

今回のケースでは、夫が脱税をしていることが問題の根幹にあります。まずは、証拠を収集し、専門家に相談することから始めましょう。そして、冷静に状況を分析し、最善の解決策を見つけ出してください。

離婚は人生における大きな転換期であり、精神的な負担も大きいものです。しかし、子供たちのために、そしてあなた自身の将来のために、諦めずに、前向きに進んでいきましょう。

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