公共工事の主任技術者・監理技術者、専任と常駐の違いとは？営業職から現場を任され、板挟みでクタクタ…打開策を徹底解説！
公共工事の主任技術者・監理技術者、専任と常駐の違いとは？営業職から現場を任され、板挟みでクタクタ…打開策を徹底解説！
建設業界で働く皆さん、日々の業務、本当にお疲れ様です。特に、公共工事の現場で主任技術者や監理技術者を務めながら、営業職としての役割も担っている方は、心身ともに疲労が蓄積しているのではないでしょうか。今回の記事では、公共工事における「専任」と「常駐」の違いを明確にし、営業職でありながら現場も担当し、板挟みになっている方の具体的な悩みに対して、解決策を提示していきます。労働基準局への相談や、現状を打開するための具体的なステップ、そしてキャリアパスの選択肢まで、幅広く解説していきます。
公共工事での、主任技術者や監理技術者の常駐についてですが、専任と常駐の意味がわかりません。それに、現在私は主任技術者で工事を行っていますが、もともと肩書は営業職となっており、上司から現場は下請けに任せて営業しろとばかりの態度をとられますがよいのでしょうか？現場のこともさせられ、営業の事も責任をとらされクタクタです。労働基準局？は指導してはくれないのでしょうか？やめるわけにもいかず何か良いアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
1. 専任と常駐の違いを理解する
公共工事における「専任」と「常駐」は、技術者の配置に関する重要な概念です。この違いを理解することは、適切な業務遂行と、自身の労働環境を守るために不可欠です。
1.1 専任とは
専任とは、その工事に「専ら従事する」という意味です。具体的には、その工事に常時従事し、他の工事を兼務することが原則として認められていません。主任技術者や監理技術者は、工事の規模や種類によっては、この専任が義務付けられます。専任の技術者は、工事の品質管理、安全管理、工程管理など、工事全体を統括する責任を負います。
- 専任の目的: 工事の品質確保、安全性の向上、円滑な工程管理。
- 兼務の可否: 原則不可。ただし、例外規定あり（詳細は後述）。
- 責任範囲: 工事全体の管理責任。
1.2 常駐とは
常駐とは、工事現場に「常時勤務する」という意味です。主任技術者や監理技術者は、工事の規模や内容に応じて、工事現場に常駐する必要があります。常駐することで、工事の進捗状況を把握し、問題が発生した際に迅速に対応できます。常駐義務がある場合、現場から離れることは原則として認められません。
- 常駐の目的: 現場での迅速な対応、工事の進捗管理。
- 離席の可否: 原則不可。ただし、やむを得ない事情がある場合は、一時的な離席は認められる場合がある。
- 責任範囲: 現場での技術的な指導、安全管理。
1.3 専任と常駐の関連性
専任と常駐は、密接に関連しています。専任の技術者は、原則としてその工事に常駐する必要があります。つまり、専任義務がある技術者は、その工事に「専ら従事」し、かつ「常時勤務」しなければなりません。ただし、工事の規模や内容によっては、例外的に兼務が認められる場合もあります。例えば、複数の小規模な工事を同時に担当する場合などです。しかし、この場合でも、各工事に適切な技術者が配置され、品質が確保される必要があります。
2. 営業職と主任技術者の兼務問題：板挟みからの脱出
今回の相談者の方のように、営業職でありながら主任技術者として現場も担当している場合、非常に多忙で、心身ともに負担が大きい状況であると考えられます。上司から「現場は下請けに任せて営業しろ」と言われる一方で、現場の責任も負わされるという状況は、明らかに不合理です。この問題を解決するためには、以下のステップで対応していくことが重要です。
2.1 状況の整理と問題点の明確化
まずは、現在の状況を客観的に整理し、問題点を明確にしましょう。具体的には、以下の点を洗い出します。
- 業務内容: 営業業務と現場業務の具体的な内容、それぞれの業務に費やす時間。
- 責任範囲: 営業と現場、それぞれで負う責任の範囲。
- 上司の指示: 上司からの指示内容、矛盾点。
- 労働時間: 実際の労働時間、残業時間、休憩時間の取得状況。
- 心身の状態: ストレス、疲労、睡眠不足などの状況。
これらの情報を整理することで、問題の本質が見えてきます。例えば、「営業目標の達成」と「工事の品質確保」という、相反する目標を同時に達成しなければならない状況かもしれません。また、労働時間が長すぎたり、適切な休憩が取れていないなど、労働環境に問題がある可能性もあります。
2.2 会社との交渉：上司とのコミュニケーション
問題点を明確にした上で、会社や上司との交渉を始めましょう。まずは、上司との面談を設け、現状の課題と改善策を具体的に提案します。この際、感情的にならず、客観的なデータに基づいて話すことが重要です。
- 現状の報告: 業務内容、責任範囲、労働時間などを具体的に報告し、現状の課題を共有する。
- 問題点の指摘: 営業と現場の兼務による問題点（例：業務の質の低下、過重労働、心身の疲労など）を指摘する。
- 改善策の提案: 業務分担の見直し、人員増強、業務効率化など、具体的な改善策を提案する。
- 労働条件の交渉: 労働時間、残業代、休暇取得など、労働条件に関する交渉を行う。
交渉の際には、会社の利益と自身のキャリアプランを両立させる視点を持つことが重要です。例えば、「営業成績を向上させるために、現場業務を効率化したい」「より専門的な技術力を身につけるために、現場業務に集中したい」など、具体的な目標を提示することで、会社側の理解を得やすくなります。
2.3 労働基準局への相談
会社との交渉がうまくいかない場合や、明らかに違法な労働環境である場合は、労働基準局に相談することも検討しましょう。労働基準局は、労働者の権利を守るための機関であり、労働基準法違反の疑いがある場合に、会社に対して是正勧告を行うことができます。
- 相談の準備: 労働時間、給与、業務内容など、具体的な情報を整理しておく。
- 相談方法: 電話、窓口、インターネットなど、様々な相談方法がある。
- 相談内容: 違法な労働条件、不当な扱いなど、具体的な問題点を伝える。
- 証拠の収集: タイムカード、給与明細、メールのやり取りなど、証拠となるものを収集しておく。
労働基準局への相談は、最終手段の一つですが、自身の権利を守るためには必要な場合もあります。相談することで、会社側の対応が変わることもありますし、場合によっては、法的措置を検討することもできます。
2.4 弁護士への相談
労働問題が複雑化した場合や、会社との交渉が困難な場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。弁護士は、法律の専門家であり、あなたの権利を守るために、様々な法的手段を講じることができます。
- 相談の準備: 労働時間、給与、業務内容など、具体的な情報を整理しておく。
- 相談内容: 違法な労働条件、不当な扱いなど、具体的な問題点を伝える。
- 法的措置の検討: 会社との交渉、労働審判、訴訟など、様々な法的手段を検討する。
- 弁護士費用: 相談料、着手金、成功報酬など、弁護士費用を確認する。
弁護士に相談することで、法的観点から問題点を整理し、適切な対応策を講じることができます。また、弁護士が会社との交渉を代行することも可能です。
3. キャリアパスの選択肢
現状の状況が改善しない場合や、自身のキャリアプランを考えた場合、転職やキャリアチェンジも選択肢の一つとなります。建設業界には、様々なキャリアパスがありますので、自身のスキルや経験、興味関心に合わせて、最適な道を選ぶことができます。
3.1 転職を検討する
現在の会社での状況が改善しない場合、転職を検討することも有効な手段です。転職することで、より良い労働条件や、自身のキャリアプランに合った仕事を見つけることができます。転職活動を始める前に、以下の点を明確にしておきましょう。
- 自己分析: 自身のスキル、経験、強み、弱み、興味関心などを分析する。
- キャリアプラン: 将来的にどのようなキャリアを歩みたいのか、具体的な目標を設定する。
- 求人情報の収集: 転職サイト、求人情報誌、企業のホームページなどを活用して、求人情報を収集する。
- 応募書類の作成: 履歴書、職務経歴書など、応募書類を作成する。
- 面接対策: 面接での自己PR、志望動機、質疑応答などの対策を行う。
転職活動は、時間と労力がかかるものですが、自身のキャリアをより良くするための重要なステップです。積極的に情報収集し、準備をすることで、成功の可能性を高めることができます。
3.2 キャリアチェンジを検討する
建設業界での経験を活かしながら、別の職種にキャリアチェンジすることも可能です。例えば、以下のような職種が考えられます。
- 建設コンサルタント: 建設プロジェクトの計画、設計、施工、管理など、様々な段階で専門的なアドバイスを提供する。
- 不動産開発: 土地の取得、企画、設計、建設、販売など、不動産に関する一連の業務を行う。
- 建築設計: 建築物の設計を行う。
- 積算: 建築工事に必要な費用を算出する。
- CADオペレーター: CADソフトを使用して、図面を作成する。
- 営業職: 建設業界以外の営業職。これまでの経験を活かせる。
キャリアチェンジをするためには、新たなスキルや知識を習得する必要がある場合があります。資格取得や、専門学校への通学、通信講座の受講など、様々な方法でスキルアップを図ることができます。
3.3 独立・起業を検討する
経験とスキルを積んだ上で、独立・起業することも選択肢の一つです。独立することで、自身の裁量で仕事を進めることができ、収入アップの可能性も広がります。独立するためには、以下の点を準備する必要があります。
- 事業計画の策定: どのような事業を行うのか、具体的な計画を立てる。
- 資金調達: 事業に必要な資金を調達する。
- 顧客獲得: 顧客を獲得するための戦略を立てる。
- 許認可の取得: 建設業許可など、必要な許認可を取得する。
- リスク管理: 事業のリスクを把握し、対策を講じる。
独立・起業は、大きなリスクを伴いますが、成功すれば大きなやりがいと達成感を得ることができます。綿密な準備と、リスク管理を行うことが重要です。
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4. 労働環境改善のための具体的なアクションプラン
現状の状況を改善するために、具体的なアクションプランを立てましょう。以下のステップで、計画的に行動することが重要です。
4.1 目標設定
まずは、具体的な目標を設定します。例えば、「1ヶ月以内に、上司との面談を行い、業務分担について話し合う」「3ヶ月以内に、労働時間を10%削減する」など、具体的な目標を設定することで、行動のモチベーションを維持しやすくなります。
4.2 スケジュール作成
目標達成のためのスケジュールを作成します。いつ、何をするのか、具体的な行動計画を立てることで、計画的に行動することができます。例えば、「毎週月曜日に、上司との面談に向けて、資料を作成する」「毎週水曜日に、労働基準局に相談するための準備をする」など、具体的なスケジュールを立てます。
4.3 情報収集
目標達成に必要な情報を収集します。例えば、労働基準法に関する情報を収集したり、転職に関する情報を収集したりします。インターネット、書籍、専門家への相談など、様々な方法で情報を収集しましょう。
4.4 行動と評価
計画に基づいて行動し、定期的に評価を行います。目標達成状況、進捗状況、問題点などを評価し、必要に応じて計画を修正します。PDCAサイクルを回すことで、継続的な改善を図ることができます。
4.5 メンタルヘルスのケア
過重労働やストレスにより、心身に不調をきたすことがあります。メンタルヘルスのケアも重要です。十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行いましょう。また、ストレスを感じた場合は、友人や家族に相談したり、専門家のカウンセリングを受けることも有効です。
5. まとめ
公共工事における主任技術者・監理技術者の専任と常駐の違いを理解し、営業職との兼務による問題点を解決するためには、状況の整理、会社との交渉、労働基準局への相談、キャリアパスの選択など、様々なアプローチがあります。自身の状況に合わせて、最適な方法を選択し、行動していくことが重要です。また、労働環境を改善するためには、具体的なアクションプランを立て、計画的に行動することが不可欠です。そして、何よりも、自身の心身の健康を第一に考え、無理のない範囲で、目標に向かって進んでいきましょう。
建設業界は、人手不足が深刻化しており、あなたの経験とスキルは、非常に貴重です。焦らず、着実に、自身のキャリアを築いていくことを願っています。
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