既存住宅の増築と床下防湿：大臣認定品と最適な施工方法

施工令第22条床下の防湿方法大臣認定品とは二級建築士です。建築確認の必要な増築の設計をうけましたが既存住宅が基礎高330しかなく床下土間は土です。増築の場合既存部分も全て適合させなければならないのですが、居室のみ床下防湿施工しないといけません。施主は炭を敷きたいと話されてましたが大臣認定の炭は私が知ってる限りないように思いますが何かありますか? 50mm程度のコンクリ敷き込みすればよいのですが既存部分は点検口もなく床下も狭くまた住みながらの工事施工が困難です。居室だけでも20坪はあります。大臣認定を受けたものでよいものがあれば教えてください! 宜しくお願いします (22条最下階の居室の床が木造である場合における床の高さ及び防湿方法は、次の各号に定めるところによらなければならない。ただし、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合及び当該最下階の居室の床の構造が、地面から発生する水蒸気によつて腐食しないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、この限りでない。)

既存住宅の増築における床下防湿は、建築確認申請において重要な課題となります。特に、基礎高が低く床下土間が土壌の場合、施工方法の選定は慎重に行う必要があります。今回のご相談では、既存住宅の基礎高が330mmと低く、床下空間が狭く、住みながらの工事という制約があるため、最適な防湿対策の選定が求められます。施主の炭を使用したいという希望も踏まえ、大臣認定を受けた防湿対策、そして現実的な施工方法について、詳しく解説いたします。

大臣認定品と床下防湿：選択肢の検討

まず、大臣認定を受けた床下防湿材についてですが、残念ながら「炭」自体が大臣認定を受けている製品は現状ありません。大臣認定は、材料や工法の性能が国土交通大臣によって認められたことを示すもので、厳格な基準をクリアする必要があります。炭は防湿効果はある程度期待できますが、その効果の安定性や耐久性において、大臣認定の基準を満たすのは難しいのが現状です。

そこで、大臣認定を受けた代替案として考えられるのは、以下の2点です。

コンクリート打設：最も一般的な方法です。50mm程度のコンクリートを打設することで、高い防湿効果が期待できます。しかし、今回のケースのように床下空間が狭く、住みながらの工事となる場合は、施工が困難で、既存住宅への影響も懸念されます。
大臣認定を受けた防湿シート：様々なメーカーから、国土交通大臣が認定した防湿シートが販売されています。これらは、透湿性や耐久性に優れた素材を使用しており、比較的容易な施工が可能です。既存住宅への影響も少なく、住みながらの工事にも適しています。ただし、シートの施工だけでは、土壌からの湿気上昇を完全に防ぐことは難しい場合もあります。

現実的な施工方法と課題解決

20坪の居室全てにコンクリートを打設するのは、現実的ではありません。狭小な空間での作業は困難であり、既存住宅へのダメージも大きくなる可能性があります。そこで、大臣認定を受けた防湿シートと、土壌からの湿気対策を組み合わせた工法を提案します。

提案：

床下換気：まずは、床下換気を改善します。既存の換気口を増設するか、新たに換気口を設置することで、湿気の滞留を防ぎます。これにより、防湿シートの効果を高めることができます。
防湿シートの施工：大臣認定を受けた高性能防湿シートを、床全体に施工します。シートの重ね合わせ部分には、専用のテープを使用し、隙間なく施工する必要があります。専門業者に依頼することで、確実な施工が可能です。
通気層の確保：防湿シートの上には、通気層を確保します。これにより、床下の湿気を逃がし、木材の腐朽を防ぎます。通気層には、透湿性のある木材を使用するのが理想的です。
仕上げ材：仕上げ材には、合板や無垢材など、湿気に強い材料を選びます。施主の希望である炭は、防湿効果を期待できるものではありませんが、仕上げ材の下に敷くことで、断熱効果を高めることは可能です。ただし、大臣認定品ではないため、建築確認申請上は、防湿効果を期待するものではない旨を明記する必要があります。

成功事例と専門家の視点

過去に、同様の課題を抱えた案件で、この工法を採用した事例があります。既存住宅の増築で、床下空間が狭く、住みながらの工事だったにも関わらず、防湿効果を高め、快適な居住空間を実現することができました。ポイントは、専門業者との綿密な打ち合わせと、適切な材料選定です。

専門家として、重要なのは、施主の希望と現実的な施工方法のバランスを取ることです。今回のケースでは、施主の炭を使用したいという希望を完全に否定するのではなく、断熱効果を高める補助的な役割として活用することで、双方にとって満足できる結果を得られるでしょう。

チェックリスト：床下防湿対策

今回のケースを参考に、ご自身の状況に合った床下防湿対策を行うために、以下のチェックリストをご活用ください。

□ 基礎高を確認する
□ 床下空間の状況を確認する(狭小空間か、点検口の有無など)
□ 工事期間の制約を確認する(住みながらの工事か)
□ 大臣認定を受けた防湿シートの種類を調べる
□ 床下換気の状況を確認する
□ 専門業者への相談を行う
□ 建築確認申請に必要な書類を準備する

まとめ

既存住宅の増築における床下防湿は、適切な材料選定と施工方法の選定が重要です。大臣認定を受けた防湿シートを用いた工法は、現実的な解決策となります。施主の希望と現実的な制約を考慮し、専門家と綿密に相談しながら、最適な対策を選択することが重要です。今回のケースでは、大臣認定を受けた防湿シートと床下換気の改善、そして施主の希望である炭を断熱材として活用する提案が、最適な解決策となるでしょう。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の状況に合わせた専門的なアドバイスではありません。具体的な施工方法や材料選定については、必ず専門業者にご相談ください。

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