車のブローオフバルブ交換で加速感は変わる？現役整備士が教えるチューニングの基礎知識
車のブローオフバルブ交換で加速感は変わる？現役整備士が教えるチューニングの基礎知識
この記事では、車のブローオフバルブに関するあなたの疑問を解決します。具体的には、ブローオフバルブの交換によって加速感やブースト圧に変化があるのか、どの製品がおすすめなのか、そして交換にかかる費用について、現役の整備士である私が詳しく解説します。チューニング初心者の方にも分かりやすく、実践的な情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
ブローオフバルブについて。ノーマルのエボ７の純正ブローオフバルブから８ＭＲ以降の純正金属ブローオフバルブに交換もしくは東名の強化ブローオフバルブに交換するだけでもブーストのかかり、圧がいくらか変化しますか？ 微量でも加速感はよくなりますでしょうか。ブローオフバルブの取り付け工賃はいくらくらいなのかと８ＭＲ以降の純正金属ブローオフか東名パワードの強化品どちらがオススメでしょうか？ 補足どうやらランエボのブローオフバルブ純正品ではブロー防止でアクセルオン時にも過給圧が逃げるように作られているというのですが本当ですか？ その点、強化品はアクセルオン時でも過給圧は逃げずにアクセルオフ時だけ圧を逃がしてやってるんでしょうか？
ブローオフバルブとは？基本を理解しよう
ブローオフバルブ（Blow Off Valve、以下BOV）は、ターボチャージャーを搭載した車にとって非常に重要なパーツです。ターボ車は、エンジンの排気ガスを利用してタービンを回し、空気を圧縮してエンジンに送り込みます。この圧縮された空気（過給圧）が、エンジンの出力を高める役割を果たします。
しかし、アクセルを急にオフにした場合、スロットルバルブが閉じ、過給された空気が行き場を失います。この時、過給圧が逆流し、タービンを傷つけたり、エンジンに悪影響を及ぼす可能性があります。そこで、BOVは余分な空気を大気中に逃がし、タービンやエンジンを保護する役割を担います。
純正のBOVは、通常、静かでスムーズな作動を重視して設計されています。一方、社外品の強化BOVは、より高い過給圧に対応し、過給レスポンスを向上させることを目的としています。BOVの種類には、大気開放型（ブローオフサウンドが特徴）と、リターン型（純正同様に空気を吸気系に戻す）があります。
ブローオフバルブ交換による変化：加速感とブースト圧への影響
純正のBOVから、より高性能なBOVに交換することで、いくつかの変化が期待できます。具体的に見ていきましょう。
1. 加速感の向上
強化BOVは、アクセルオフ時の過給圧の逆流を防ぎ、タービンの回転数を維持しやすくなります。これにより、アクセルを踏み込んだ際の過給レスポンスが向上し、加速感が良くなる可能性があります。特に、スポーツ走行やサーキット走行においては、この効果を体感しやすいでしょう。
2. ブースト圧の変化
BOVの交換だけで、ブースト圧が劇的に変化することは少ないです。しかし、強化BOVは、過給圧のリークを抑制し、ブースト圧の安定に貢献します。また、ブーストコントローラーと組み合わせることで、より細かくブースト圧を調整できるようになります。
3. 音の変化
大気開放型のBOVに交換した場合、アクセルオフ時に「プシューン」という特徴的なサウンドが発生します。これは、BOVが余分な空気を排出する音で、チューニングカーの象徴とも言えるでしょう。ただし、音の大きさや種類は、BOVのメーカーや仕様によって異なります。
ブローオフバルブの選び方：純正品 vs. 強化品
ブローオフバルブを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。あなたの車の使用目的や、求める性能に合わせて最適なものを選びましょう。
1. 純正金属ブローオフバルブ
純正の金属製BOVは、耐久性が高く、純正の性能を維持したい場合に適しています。特に、8MR以降の純正品は、7型よりも耐久性が向上しており、ブースト圧の安定にも貢献します。費用も比較的安価で、安心して使用できるのがメリットです。
2. 強化ブローオフバルブ（東名パワードなど）
強化BOVは、より高い過給圧に対応し、過給レスポンスを向上させることを目的としています。東名パワードなどの有名メーカーの製品は、品質が高く、安心して使用できます。ただし、純正品よりも高価で、取り付けにも専門知識が必要な場合があります。
3. 選び方のポイント
- 使用目的：街乗りがメインであれば、純正品またはリターンタイプの強化BOVがおすすめです。サーキット走行やスポーツ走行を楽しむ場合は、大気開放型を含む強化BOVを検討しましょう。
- ブースト圧：純正ブースト圧から大幅に上げる予定がない場合は、純正品またはそれに準ずる性能のBOVで十分です。高ブースト圧に対応できる強化BOVを選ぶことも可能です。
- 音：大気開放型のBOVは、独特のサウンドが特徴ですが、騒音規制に抵触する可能性があります。事前に確認しておきましょう。
- 信頼性：有名メーカーの製品を選ぶことで、品質や耐久性に対する信頼性を高めることができます。
ブローオフバルブの取り付け工賃
ブローオフバルブの取り付け工賃は、車種やショップによって異なりますが、一般的には5,000円～20,000円程度が相場です。工賃には、部品の脱着、取り付け、動作確認などが含まれます。自分で取り付けることも可能ですが、専門知識や工具が必要となるため、自信がない場合は、専門のショップに依頼することをおすすめします。
取り付けを依頼する際には、事前に工賃の見積もりを取り、追加料金が発生する可能性についても確認しておきましょう。また、ショップによっては、BOVの取り付けと同時に、他のチューニングパーツの取り付けや、セッティングも行ってくれる場合があります。
ブローオフバルブに関するよくある疑問
ブローオフバルブに関するよくある疑問とその回答をまとめました。これらの疑問を解決することで、より安心してBOVの交換やチューニングに取り組むことができます。
Q1: 純正ブローオフバルブでも過給圧は逃げますか？
A1: はい、純正ブローオフバルブも、アクセルオフ時に過給圧を逃がすように設計されています。これは、タービンやエンジンを保護するための重要な機能です。ただし、純正品は、過給圧を逃がす際のレスポンスや効率が、強化品に比べて劣る場合があります。
Q2: 強化ブローオフバルブは、アクセルオン時にも過給圧を逃がしますか？
A2: いいえ、強化ブローオフバルブは、通常、アクセルオン時には過給圧を逃がしません。アクセルオフ時にのみ、余分な過給圧を逃がすように設計されています。これにより、過給レスポンスの向上や、タービンの保護が実現されます。
Q3: ブローオフバルブの交換は車検に通りますか？
A3: 大気開放型のブローオフバルブは、騒音規制に抵触する可能性があるため、車検に通らない場合があります。リターン型のブローオフバルブであれば、純正と同様に空気を吸気系に戻すため、車検に通る可能性が高いです。ただし、取り付け状態や、車の状態によっては、車検に通らない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
Q4: ブローオフバルブを交換すると、燃費は悪くなりますか？
A4: ブローオフバルブの交換だけで、燃費が劇的に悪くなることはありません。ただし、チューニングによってエンジン出力が向上し、ついついアクセルを踏みすぎてしまうと、燃費が悪化する可能性があります。燃費を気にする場合は、アクセルワークに注意しましょう。
Q5: ブローオフバルブの寿命はどのくらいですか？
A5: ブローオフバルブの寿命は、使用状況や製品の品質によって異なります。一般的には、数万キロ走行しても問題なく使用できますが、定期的な点検やメンテナンスが必要です。異音や動作不良が発生した場合は、交換を検討しましょう。
まとめ：ブローオフバルブ交換であなたの車をステップアップ！
ブローオフバルブの交換は、車のチューニングにおいて、手軽に効果を実感できる方法の一つです。加速感の向上や、ブースト圧の安定に貢献し、あなたのドライビング体験をより豊かにすることができます。純正品、強化品それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたの車に最適なブローオフバルブを選びましょう。取り付けは、専門知識と技術が必要となる場合がありますので、自信がない場合は、専門のショップに相談することをおすすめします。
この記事が、あなたのカーライフをより楽しく、充実させるための一助となれば幸いです。安全運転を心がけ、カーライフを楽しみましょう！
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