残業ゼロなのに「アジャスト」？労働基準法違反の可能性と対策

アジャストについて質問します。アジャストタイムは残業時間との相殺ですが、わたしの会社（営業所）では、まだ残業もしていないのに、残業を見越して、アジャストをとらせています。上司も本社から、人件費削減と強く言われているのでやっているのだと思います。しかし、これは労働基準法違反ではないのでしょうか？月末に残業時間が足りなくても、基本給をマイナスにする事無く、アジャストがなかったように勤務時間改ざんしています。これはもちろん労基法違反ですよね。

ご相談ありがとうございます。営業職で、残業をしていないにも関わらず「アジャスト」を取らされ、勤務時間改ざんされているという状況、大変お辛いですね。ご指摘の通り、これは労働基準法違反の可能性が高いです。本記事では、アジャスト制度の現状、労働基準法との関係性、そして具体的な対策について、転職コンサルタントの視点から詳しく解説します。まずは結論から申し上げます。「残業をしていないのにアジャストを取らせること」「勤務時間改ざん」は、どちらも労働基準法違反に該当する可能性が高いです。

アジャスト制度とは？そのメリットとデメリット

「アジャスト」とは、本来、残業時間と事前に調整された時間（例えば、休憩時間やフレックスタイム制度におけるコアタイム以外の時間）を相殺する制度です。本来の目的は、従業員の労働時間管理を柔軟に行い、業務効率の向上を図ることです。しかし、あなたのケースのように、残業時間がないのにアジャストを強制したり、勤務時間改ざんに利用されるケースは、制度の本来の目的を逸脱しており、重大な問題となります。

アジャスト制度のメリットとしては、柔軟な勤務形態が可能になり、従業員のワークライフバランスの改善に繋がる可能性がある点です。しかし、デメリットとしては、管理が不適切な場合、残業代未払いや、今回のケースのような労働基準法違反につながるリスクがあります。特に、企業が人件費削減を目的にアジャスト制度を悪用するケースは、深刻な問題です。

労働基準法違反の可能性：残業代未払い、時間外労働の記録義務違反

あなたのケースでは、以下の2点で労働基準法違反の可能性が非常に高いです。

残業代未払い：　残業時間がないにも関わらずアジャストを強制することは、事実上、残業代を支払わない行為に等しく、労働基準法第24条に違反する可能性があります。残業代は、時間外労働の対価として支払われるべきものであり、アジャストによって相殺することはできません。
時間外労働の記録義務違反：　勤務時間改ざんは、労働基準法第109条で定められている時間外労働の記録義務に違反します。正確な労働時間を記録することは、労働者の権利保護に不可欠であり、改ざんは重大な違法行為です。

具体的な対策：証拠の確保と相談窓口

現状を改善するために、以下の対策を講じることをお勧めします。

証拠の確保：　勤務時間に関する記録（タイムカード、勤怠管理システムの記録、メール、メッセージなど）を全て保存しましょう。これらは、労働基準監督署への相談や、裁判になった場合の重要な証拠となります。特に、アジャストの指示や、勤務時間改ざんの事実を示す証拠は、綿密に収集する必要があります。
労働組合への相談：　もしあなたの会社に労働組合があれば、まずは労働組合に相談しましょう。労働組合は、労働者の権利を守るための組織であり、専門的なアドバイスや支援を受けることができます。
弁護士への相談：　労働組合がない場合、または労働組合に相談しても解決しない場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、労働法に詳しい専門家であり、適切な法的措置をアドバイスしてくれます。
労働基準監督署への相談：　最終手段として、労働基準監督署に相談することもできます。労働基準監督署は、労働基準法の遵守状況を監督する機関であり、違法行為があれば、是正指導や行政処分を行うことができます。相談は匿名でも可能です。

成功事例：勇気ある告発で職場環境改善

過去に、同様のケースで、従業員が労働基準監督署に相談し、会社が是正措置を講じた事例があります。その従業員は、最初は不安を感じていましたが、証拠をしっかりと集め、相談窓口に勇気を出して相談したことで、最終的には職場環境の改善に繋がりました。この事例からも分かるように、一人で抱え込まず、適切な相談窓口に相談することが重要です。

専門家の視点：企業の責任と従業員の権利

企業は、労働基準法を遵守し、従業員の労働時間管理を適切に行う責任があります。人件費削減を理由に、違法な行為を行うことは許されません。一方、従業員は、自分の権利を主張し、不当な扱いに対して適切な対応をする権利があります。自分の権利を主張することは、決して悪いことではありません。

チェックリスト：あなたの状況をチェック！

以下のチェックリストで、あなたの状況を確認してみましょう。

□ 残業をしていないのにアジャストを取らされている。
□ 勤務時間が実際よりも少なく記録されている。
□ 残業代が支払われていない。
□ 上司からアジャストに関する指示を受けている。
□ 勤務時間に関する記録を保存している。

３つ以上チェックが付いた方は、早急に専門機関への相談を検討することをお勧めします。

まとめ

残業ゼロなのにアジャストを取らされる、勤務時間改ざんといった行為は、労働基準法違反の可能性が高く、決して許される行為ではありません。一人で抱え込まず、証拠をしっかり集め、労働組合、弁護士、労働基準監督署などの適切な相談窓口に相談することが重要です。あなたの権利を守り、安心して働ける環境を手に入れるため、勇気を持って行動しましょう。

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