パート事務員の解雇は妥当?欠勤が多い問題社員への対応と不当解雇にならないための対策
パート事務員の解雇は妥当?欠勤が多い問題社員への対応と不当解雇にならないための対策
今回は、中小企業の製造業で働く28歳のパート事務員の方からのご相談です。新しいパート社員の勤務態度があまりにも酷く、解雇を検討しているものの、不当解雇にならないか不安に感じているとのこと。以下、ご相談内容の詳細です。
人事権はないですが、気になったので聞いてみたいです。
28歳のパート事務員です。
先月末で退職した先輩の欠員補充で40歳のパートが入りました。
この人相当問題ある人です。
過去質にもありますが、会社の状況とともに下記の状況です。
会社は従業員30人弱の中小企業の製造業です。
事務は二人体制で仕事量も増え、なんとか業務を回す状況で1人では回らないです。
新しいパートAは12月1日入社。
26日までに土日祝を除く平日は勤務日ですが、出勤したのは1日~3日、7日~9日、22日の二時間(しかもバタンと倒れてさっさと帰りました)。
それ以外は全部欠勤です。
欠勤理由は自分が風邪引いた、子供(5ヶ月)が熱出した、下痢した。体調不良だそうです。
欠勤時は会社に連絡は一切なし。
メールとLINEで休みますで終わりです。休むことへの謝罪も一切なし。
やっときても休んだことへの謝罪は社長以下誰にもありません。
体調不良がどの程度なのかも一切連絡なしで詳細不明です。
社長が外出や営業で不在が多く、すれ違いのため社長にも多分二回あったかどうかです。
社長指示で先輩がLINEで会社に連絡しろと注意しても1、2回しただけでしなくなりました。
今日私がキレて連絡しないなんて非常識。ふざけんなとメールしたけど反応なし。
会社は年末の繁忙期が続き、現場の作業やら事務の業務に支障きたしまくりで社長、専務、営業が総動員で手伝う状況です。
特に事務は本当に回らず、通常の一般事務仕事は一切出来ず、出荷の手配や送り状作成業務は上記の3名に手伝ってもらってやっとの状況です。
うちにも2歳5ヶ月と9ヶ月のチビッ子がいますが、実家や旦那の帰宅後に預けて残業しても終わらないです。(子供や旦那、実家の母には申し訳なく思ってます)
Aがきたところで入社時から不平不満やわがままばかり言って欠勤ばかりで仕事も1割以下しか覚えておらず戦力外です。
もう来る気はないと思います。
私物は邪魔です。
本人来ないし、決める立場ではありませんが社長はクビ確定的なニュアンスですが、こういう状況だと解雇は妥当なんですか?
不当解雇とかにやっぱりなりますか?
今回の相談は、新しいパート社員の勤務態度があまりにも酷く、解雇を検討しているものの、不当解雇にならないか不安に感じているという内容です。中小企業では、人手不足が深刻化する中で、このような問題社員への対応は経営者にとって大きな悩みとなります。この記事では、解雇が妥当となるケースと、不当解雇にならないための具体的な対策について、詳しく解説していきます。
1. 問題社員を解雇する前に確認すべきこと
問題社員を解雇する際には、以下の点を十分に確認し、慎重に進める必要があります。
1-1. 就業規則の確認
まず、会社の就業規則を確認し、解雇事由に該当するのかどうかを判断します。一般的に、以下のような事由が解雇の対象となる可能性があります。
- 無断欠勤が多い場合:正当な理由なく長期間にわたって無断欠勤を繰り返している場合。
- 業務命令違反:会社の指示に従わない、業務上の命令に背く行為を繰り返す場合。
- 勤務態度が著しく悪い場合:協調性がない、他の従業員に迷惑をかける、業務を妨害するなどの行為がある場合。
- 能力不足:業務遂行能力が著しく低い、または改善の見込みがない場合。
今回のケースでは、無断欠勤が多く、業務への貢献度が低いことが問題となっています。就業規則に照らし合わせ、解雇事由に該当するかどうかを確認しましょう。
1-2. 証拠の収集
解雇の有効性を証明するためには、客観的な証拠が必要です。具体的には、以下のような証拠を収集します。
- 出勤簿:出勤状況、欠勤日数、遅刻・早退の記録。
- 業務日報:業務の進捗状況、問題点、上司への報告内容など。
- 注意・指導の記録:問題行動に対する注意や指導の内容、改善を促すための面談記録、指導書など。
- メールやLINEの履歴:欠勤連絡、業務連絡、問題行動に関するやり取りなど。
これらの証拠を基に、問題社員の勤務状況や行動を具体的に示し、解雇の正当性を裏付けることができます。
1-3. 解雇予告と解雇通知
労働者を解雇する際には、原則として30日以上前に解雇予告を行う必要があります。解雇予告手当を支払うことで、即時解雇することも可能です。解雇通知書を作成し、解雇理由を具体的に明記し、本人に交付します。解雇通知書には、解雇日、解雇理由、解雇予告手当の有無などを記載します。
2. 解雇が妥当と判断されるケース
問題社員の解雇が妥当と判断されるケースは、以下の通りです。
2-1. 労働契約違反
労働契約に違反する行為があった場合、解雇が正当化されることがあります。例えば、無断欠勤が長期間にわたる、業務命令を拒否する、会社の機密情報を漏洩するなどの行為が該当します。
2-2. 業務遂行能力の著しい欠如
業務遂行能力が著しく低い、または改善の見込みがない場合も、解雇が認められることがあります。ただし、会社は、能力向上のための教育や指導を行う努力をしなければなりません。今回のケースでは、入社から間もないにも関わらず、業務をほとんど覚えていない状況であり、改善が見られない場合は、解雇が検討される可能性があります。
2-3. 勤務態度不良
勤務態度が著しく悪い場合、解雇が正当化されることがあります。例えば、他の従業員との協調性がない、業務を妨害する、会社の秩序を乱すなどの行為が該当します。
3. 不当解雇にならないための対策
不当解雇と判断されないためには、以下の対策を講じることが重要です。
3-1. 注意・指導の実施
問題社員に対しては、口頭または書面で注意・指導を行い、改善を促す必要があります。注意・指導の内容は記録し、証拠として残しておきましょう。指導の際には、問題点を具体的に指摘し、改善策を提示することが重要です。また、改善が見られない場合は、段階的に指導のレベルを上げていくことも有効です。
3-2. 改善の機会の付与
問題社員に対しては、改善の機会を与える必要があります。例えば、研修への参加、配置転換、業務内容の見直しなど、様々な方法で改善を促すことができます。改善の機会を与えずに解雇した場合、不当解雇と判断される可能性が高まります。
3-3. 弁明の機会の付与
解雇前に、問題社員に対して弁明の機会を与えることが重要です。弁明の機会を与えることで、解雇に対する納得感を得やすくなり、不当解雇のリスクを軽減することができます。弁明の内容も記録しておきましょう。
3-4. 解雇予告と解雇通知の適切な実施
解雇予告は、原則として30日以上前に行う必要があります。解雇通知書には、解雇理由を具体的に明記し、本人に交付します。解雇理由が曖昧であったり、解雇通知の手続きに不備があった場合、不当解雇と判断される可能性があります。
4. 今回のケースへの具体的なアドバイス
今回の相談者のケースでは、以下の点に注意して対応を進めることが重要です。
4-1. 就業規則の確認と解雇事由の特定
まずは、会社の就業規則を確認し、問題社員の行為が解雇事由に該当するかどうかを判断します。無断欠勤が多いこと、業務への貢献度が低いことなどが、解雇事由に該当する可能性があります。
4-2. 証拠の収集
出勤簿、メールやLINEの履歴、業務日報などを収集し、問題社員の勤務状況や行動を具体的に示せるようにします。特に、欠勤の連絡方法、業務への取り組み方、上司からの注意・指導の有無などを記録しておきましょう。
4-3. 注意・指導の実施と改善の機会の付与
問題社員に対して、口頭または書面で注意・指導を行い、改善を促します。改善が見られない場合は、段階的に指導のレベルを上げていく必要があります。ただし、今回のケースでは、入社から間もないため、十分な指導を行う時間がない可能性があります。
4-4. 弁明の機会の付与
解雇前に、問題社員に対して弁明の機会を与えます。弁明の内容を記録し、解雇の判断材料とします。
4-5. 解雇予告と解雇通知の適切な実施
解雇が決定した場合は、解雇予告を行い、解雇通知書を作成し、本人に交付します。解雇理由を具体的に明記し、解雇予告手当の有無などを記載します。
今回のケースでは、問題社員の勤務態度が著しく悪く、業務への貢献度が低いことから、解雇が検討される可能性があります。しかし、不当解雇とならないためには、上記の手順を踏み、慎重に対応を進める必要があります。
5. 専門家への相談
問題社員への対応は、法的リスクを伴う場合があります。解雇を検討する際には、弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。専門家は、解雇の妥当性や手続きについて、的確なアドバイスを提供し、不当解雇のリスクを軽減することができます。
中小企業では、人手不足が深刻化しており、問題社員の解雇は、経営者にとって大きな決断となります。しかし、不当解雇となれば、会社は多大な損失を被る可能性があります。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に対応を進め、会社を守ることが重要です。
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6. まとめ
問題社員の解雇は、慎重に進める必要があります。就業規則の確認、証拠の収集、注意・指導の実施、改善の機会の付与、弁明の機会の付与、解雇予告と解雇通知の適切な実施など、様々な対策を講じることで、不当解雇のリスクを軽減することができます。専門家への相談も検討し、適切な対応を行いましょう。
今回のケースでは、問題社員の勤務態度が著しく悪く、業務への貢献度が低いことから、解雇が検討される可能性があります。しかし、不当解雇とならないためには、上記の手順を踏み、慎重に対応を進める必要があります。中小企業の人事担当者の方は、今回の記事を参考に、問題社員への対応について、改めて考えてみてください。
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