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骨折側への点滴:リスクとメリット、そして看護師の判断基準

骨折側への点滴:リスクとメリット、そして看護師の判断基準

骨折側で点滴をしてもいいのでしょうか。もし、点滴をしない方がいい場合はどういう理由があるのでしょうか。先日、ある患者に点滴をしなくてはいけなくなったのですが、認知症があり、上肢を活発に動かすため自己抜去や点滴漏れの恐れが高く、下肢で留置を試みようとしました。しかし、浮腫があり、血管も細くて入れれずにいました。そこへ、先輩看護師がきて、代わって留置を試みて下さったのですが、入れることができず。すると、先輩は上肢をみて、活発に動かす方の腕と、骨折をしており腫脹もしていて動かない腕(橈骨骨折)、そのうちの骨折をしている方の腕で点滴を入れようとしました。私はとっさに止めたのですが、先輩に「骨折してるからって点滴をいれちゃいけないことはないでしょ」と言われ、骨折側に点滴をしてはいけない根拠がわからなかったため、何も言えませんでした。確かに、下肢も入らず、健側の上肢でも入らなければ、骨折側でやむおえなくすることはあると思うのですが、、健側で試みることもせず、見た感じ骨折側の方が入れやすそうだからとそちらを選択するほど、そこまで骨折側だからと神経質に考えなくてもよいのでしょうか。ご回答よろしくお願いします>_<

この記事では、急性期病棟における点滴ルート確保の困難さ、特に認知症患者への対応という看護現場の現実的な課題を踏まえ、骨折側への点滴の是非について、リスクとベネフィットの両面から詳細に解説します。経験豊富な看護師の視点と、具体的な事例を交えながら、適切な判断基準を明確にし、現場で迷うことなく対応できるようサポートします。 特に、血管確保が困難な状況下での最善策の選択、そしてチーム医療における連携の重要性について深く掘り下げていきます。

骨折側への点滴:絶対NGではないが、慎重な判断が必要

結論から言うと、骨折側への点滴は絶対的に禁止されているわけではありません。しかし、安易に選択すべきではなく、慎重な判断とリスクアセスメントが不可欠です。 先輩看護師の発言「骨折してるからって点滴をいれちゃいけないことはないでしょ」は、必ずしも間違ってはいませんが、文脈を欠いた発言であり、危険を伴う可能性を軽視していると言えます。

骨折部位への点滴は、以下のリスクを伴う可能性があります。

  • 血腫形成:骨折部位は血管が脆く、点滴針の刺入によって血腫が形成されやすい。これは、患部の腫脹や疼痛を増悪させる可能性があります。
  • 血管損傷:骨折により血管が損傷している場合、点滴針の挿入が困難なだけでなく、血管をさらに損傷するリスクがあります。これは、後遺症につながる可能性も否定できません。
  • 感染リスク:骨折部位は皮膚の損傷や開放創がある場合があり、感染リスクが高まります。点滴針の挿入は、このリスクをさらに高める可能性があります。
  • 疼痛増悪:点滴針の挿入や点滴液の注入によって、骨折部位の疼痛が増悪する可能性があります。これは、患者の苦痛を増大させ、治療への協調性を低下させる可能性があります。
  • 固定困難:骨折部位に点滴を行うと、ギプスや副子などの固定が困難になる可能性があります。これは、骨折の治癒を遅らせる可能性があります。

健側への点滴を試みることの重要性

質問にあるケースでは、まず健側の上肢、そして下肢への点滴を試みるべきでした。先輩看護師は、骨折側の血管が「入れやすそう」という理由で選択したようですが、これは重大な判断ミスです。 患者の安全を第一に考えるならば、リスクの低い選択肢から試みるべきです。

健側への点滴が不可能な場合、初めて骨折側への点滴を検討すべきです。その際も、以下の点を十分に考慮する必要があります。

  • 血管の状態:超音波検査などを使用して、血管の状態を正確に把握する。
  • 点滴針の種類:細い針を使用するなど、血管への負担を最小限にする工夫をする。
  • 固定方法:点滴針と患部をしっかり固定し、脱落や血腫形成を防ぐ。
  • 患者の状態:患者の疼痛や不快感を軽減するための適切な処置を行う。
  • チーム医療:医師や他の看護師と連携し、最適な方法を検討する。

具体的な事例と対応

例えば、高齢で認知症を有し、上肢の血管が細く、下肢浮腫がある患者への点滴は、非常に困難なケースです。このような状況下では、以下の手順で対応するのが適切です。

1. **まず、健側の血管を丁寧に探査する。** 超音波ガイド下穿刺も検討する。
2. **下肢への留置を試みるが、浮腫が強い場合は、血管確保が困難なため、慎重に判断する。**
3. **それでも血管確保が困難な場合は、医師と相談し、中心静脈カテーテル(CVカテーテル)留置などの代替手段を検討する。**
4. **やむを得ず骨折側への点滴を行う場合は、上記リスクを十分に考慮し、最小限の侵襲で実施する。** 細径のカテーテルを使用し、固定を徹底する。
5. **点滴後も、患部の観察を綿密に行い、血腫形成や感染の兆候がないか注意深くモニタリングする。**

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まとめ

骨折側への点滴は、やむを得ない状況下での最終手段として検討すべきであり、安易な選択は避けなければなりません。 常に患者の安全を第一に考え、リスクアセスメントを徹底し、チーム医療による連携を密にすることが重要です。 健側からのアプローチを優先し、それでも困難な場合は、医師と相談の上、適切な代替手段を選択することが求められます。 今回のケースでは、先輩看護師の判断に疑問を持つあなたの姿勢は、非常に重要であり、患者さんの安全を守る上で不可欠な要素です。 自身の判断に自信が持てない場合は、経験豊富な看護師や医師に相談することをお勧めします。 常に学び続ける姿勢を持ち、より安全で質の高い看護を提供できるよう努めましょう。

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